韓国大法院（最高裁）が、韓国の窃盗団によって盗まれた「金銅観世音菩薩坐像」の所有権が日本にあると判断したことが明らかになりました。この仏像は高麗時代に略奪され、現在は日本の宗教法人が所有しているとされています。
大法院は、大韓仏教曹渓宗の浮石寺が韓国政府に対して仏像の返還を求めた訴訟で、浮石寺の敗訴判決を確定しました。判決では、仏像が製作・安置された高麗時代の寺である瑞州浮石寺と浮石寺の原告は同じ権利主体と認定しながらも、日本の民法によれば日本の観音寺が仏像を時効取得したとみなされ、浮石寺は所有権を喪失したと述べています。
この事件は2012年に韓国人窃盗犯が日本の対馬にある観音寺から金銅観世音菩薩坐像を盗んだことから始まりました。窃盗犯は仏像を韓国に持ち込み、有罪となり、仏像は韓国政府によって没収されました。その後、浮石寺は仏像の所有権を主張し、韓国政府を相手取って訴訟を提起しました。また、日本の観音寺も被補助参加人として訴訟に参加し、仏像取得時効完成を主張してきました。
この判決は、日本と韓国の間で長年にわたって争われてきた文化財の所有権問題に大きな影響を与えることが予想されます。一方で、時効取得の法的な考え方は国によって異なるため、さらなる議論が必要とされています。
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