タイ人労働者の人権問題が浮かび上がる ハマス攻撃による犠牲者の中にはなぜタイ人が多いのか

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最近のニュースで、イスラム組織ハマスによる攻撃で多くのタイ人移民労働者が犠牲になっていることが報じられています。中東の地域情勢が混迷し、多くの人々が危険な地域から身を守ることができていないのです。この報道を受け、支援団体はイスラエル雇用者による人権侵害が行われていると指摘しています。

イスラエルとタイの関係

イスラエルには約3万人のタイ人移民労働者がいます。その歴史は1990年代にまでさかのぼり、パレスチナとの衝突とも深い関わりがあります。当時、テロや軍事衝突が頻発し、本来イスラエルで働いていたパレスチナ人労働者たちは仕事がなくなってしまったのです。そのため、イスラエルはパレスチナ人労働者に代わる経済的に苦しい人々をタイなどから呼び込むようになったのです。

タイ人労働者の苦境

イスラエルとハマスの戦闘により、これまでに4000人以上のタイ人労働者が帰国しています。しかし、中には雇用主からの強いプレッシャーによって仕事を続けさせられている人もいます。彼らは支払われるべき給料をもらえず、パスポートも返してもらえないなどの人権侵害を受けています。また、彼らは頼るべき人もおらず、助けを求めることもできません。

タイ政府の対応

このような状況を受けて、タイのセター首相はイスラエル側に対して、タイ人労働者が引き留められないよう対応を求めています。一方、イスラエル大使館は「タイ人労働者の公正な待遇を確保するために最善を尽くす」と声明を発表しています。

過去にも国際人権団体などがタイ人労働者の人権問題を指摘しており、今回の戦闘で再びその問題が浮き彫りになりました。

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