イスラエルとハマスの衝突が続く中、現地で取材を行っているジャーナリストたちの犠牲が後を絶ちません。
ジャーナリストの命を脅かす衝突
人権団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)によると、10月7日以降、イスラエルによる大規模攻撃が開始されてから、メディア関係者の死者数は36人に上ります。そのうち、パレスチナ人が31人、イスラエル人が4人、レバノン人が1人です。
さらに、多くのジャーナリストが負傷したり行方不明になるなど、彼らの家族も犠牲に遭っていると報告されています。
ガザとヨルダン川西岸地区での調査によると、推定で9000人のパレスチナ人、1400人のイスラエル人、合計1万人以上が亡くなったとされています。
CPJの中東・北アフリカプログラム・コーディネーターであるシェリフ・マンスール氏は声明で、「ジャーナリストは危機の時代に重要な仕事をしている民間人であり、紛争当事者によって標的とされてはならないことを強調します。この地域のジャーナリストたちは、取材のために多くの犠牲を払っています。特にガザにいるジャーナリストたちは、前例のない犠牲を払い続け、急激な脅威に直面しています。多くの同僚や家族、メディア施設が失われ、安全な避難場所も存在せず、彼らは安全を求めて逃げ惑っています」と述べました。
ロイター通信によると、イスラエル軍はガザでのジャーナリストの安全を保証できないと表明しています。
同僚を失ったジャーナリストの声
CPJのホームページでは、亡くなったジャーナリストの氏名と死亡経緯が公開されています。
「Al-Sahel」で働いていたヤセル・アブ・ナムスさんや、パレスチナTVで働いていたナズミ・アル・ナディムさんも、空爆により自宅で亡くなりました。
また、特派員のモハマド・アブ・ハタブさんは、ガザ地区でイスラエル軍の空爆に遭い、家族11人とともに亡くなりました。
ハタブさんが亡くなった直後、同僚のサルマン・アル=バシールさんが番組に出演し、「モハマド・アブ・ハタブは、ほんの30分前まで私たちと一緒にいました。しかし、今は私たちの元を離れ、彼の妻や兄弟姉妹と一緒に、この病院の中で犠牲になっています」と語りました。
彼は、ジャーナリストたちが直面している困難な状況についても言及し、「もうこれ以上は耐えられません。私たちは疲れ果て、死を待つ犠牲者であり、次から次へと亡くなっています。しかし、誰も私たちやガザでの大惨事や犯罪行為に気を配ることはありません」と訴えました。
彼は、「国際的な保護は何もない」とも述べ、「私たちはただスローガンを唱えるだけで、ジャーナリストを守る手段はありません。私たちはただ、殺される順番を待つ犠牲者なのです」と続けました。
(この記事はハフポストUS版の記事を参考に翻訳・編集されました)