直接介入を慎重にするイラン、最高指導者は演説で言及せず…専門家「米国やイスラエルには代理勢力が対応」

直近のイスラエルとハマスの戦闘において、イランが支援する中東の武装勢力によるイスラエルや米国への攻撃の拡大が懸念されています。現時点では、イランは戦闘への直接介入には慎重なスタンスを取っていますが、抵抗の枢軸とされる武装勢力が代理戦争をエスカレートさせる場合、中東周辺の諸国を巻き込む地域紛争に発展する恐れがあります。

イランの警告

イランのホセイン・アブドラヒアン外相はトルコを訪れている際、「戦争が続けば状況は変わり、抵抗勢力は別の驚くべき行動を取るだろう」と警告しました。イスラエルの地上作戦が拡大するにつれて、イラン要人の発言はより過激になっています。

イランの発言に一定の法則

ただし、イランの発言には一定の法則があります。イランは攻撃の主体となることを否定し、代わりに革命防衛隊の報道官が「イスラエルがガザで虐殺をやめなければ、新たな衝撃波がやってくる」と表現しています。

また、イランはハマスへの支援を公言していますが、10月7日のイスラエルへの関与を否定しました。直接介入を明言することなく、停戦やガザへの人道物資輸送を求めています。

最高指導者の演説

イランの直接介入には最高指導者アリ・ハメネイ師の命令が必要ですが、ハメネイ師は10月25日の演説で「ガザの人々の忍耐と信仰が、究極的な勝利へと導くだろう」と述べるにとどめ、イランの介入には触れませんでした。

専門家の見解

イランの外交・安全保障専門家は、イラン本土が攻撃された場合にのみ、イスラエル軍や米軍との直接交戦が起こると一致して主張しています。彼らは偶発的な事態を警戒しており、イランはシリアやレバノン、イラクの代理勢力との連携に成功しています。そのため、米国やイスラエルは代理勢力に対応する必要があると断言しています。

イスラエルと国境を接するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの動向も注目されています。ハッサン・ナスララ師の指導の下で、彼らは11月3日の演説で「地域紛争を防ぎたければ、ガザ侵攻をやめるべきだ」と警告しました。

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