ロシアとウクライナの戦争:チェコ大統領の新たな見解

Petr Pavel
出典:Petr Pavel

チェコのパベル大統領は、ロシアとウクライナの戦争について新たな見解を述べました。ウクライナ軍の反攻作戦の結果について、「ウクライナ軍は戦場での優位性を示しておらず、来年には(ロシアとの)交渉が始まるかもしれない」と語りました。

戦いの長期化は動員能力の差でロシア有利に働く

パベル大統領は、3月に「ウクライナの反攻作戦は1度きりで失敗すれば次はない」と述べていました。しかし、現在の状況を考慮すると、「戦いの長期化は動員能力の差でロシア有利に働き、現在の状況が良くないことは明白だ」と指摘しました。

ウクライナ軍の参謀総長やNATO軍事委員長を務め、2023年の選挙で大統領に当選したペトル・パベル氏は、3月には「数ヶ月以内にウクライナ軍の反攻が必ず行われるが、これが失敗すれば次回の反攻に必要な資金や物資を得ることは困難になる」とも述べていました。

ロシアとウクライナの交渉についての考え

パベル大統領は、ポーランドメディアの取材に応じ、「いくつかの西側諸国は戦争を止めるためにウクライナの領土放棄が必要だと考えているのではないか?」という質問に答えました。「私が勧めることは絶対にない。ウクライナが自ら放棄を決めるならまだしも周囲が譲歩を押し付けるべきではない。同時に最後の1人まで戦うことも勧めるべきでもない」と述べました。

また、「あらゆる種類の武器をウクライナに与えるのか?」という質問に対しては、「彼らの目標達成に役立つものなら何でもいい。全領土の解放が目標なら必要な全てを与えよう。ただ現実的には西側諸国の支援にもウクライナも限界があり、米国で大統領選挙が来年行われることも受け入れなければならず、大統領選では国内問題に重点を置く」と述べました。

ウクライナ軍の困難な現状

ウクライナ軍の大規模な反攻作戦については、様々な見方がありますが、世論やメディアの評価は「期待に達していない」というのが主流です。ウクライナ軍のザルジニー総司令官も、「反攻作戦が膠着状態に陥っている」「戦いが長引けば人的資源の問題で不利になる」「何らかの解決策を見つける必要がある」と現状の困難を認めています。

ドイツ軍のクリスチャン・フロイディング少将も、「ザポリージャ南部のウクライナ軍の攻勢は勢いを失っている」と指摘しました。エストニア軍諜報機関のアンツ・キヴィセルグ大佐も「現状でウクライナがクリミアを解放してロシア軍を領土から追い出すのは難しい」と述べています。

パベル大統領の見解:ウクライナ支援を続けるしかない

パベル大統領は、「ロシアは意図的に戦いを長引かせようとしているのは明白で、時間をかけることで不足している物資を補充することもできる。現在の状況が良くないことは明白だが、我々にとってもウクライナ支援を継続する以外に選択肢がない」「ウクライナ自身が次の行動を決めるまで、西側諸国は支援を続けるべきだ」と述べています。

ウクライナとロシアの戦争は、まだ終わっていません。パベル大統領の新たな見解が示すように、ウクライナ軍の困難な現状を踏まえて、国際社会は引き続き支援を行う必要があります。

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