お城の堀に水がない 160億円かけ江戸時代を「復元」したのに

宇都宮市がお城の堀について問題を抱えていることが明らかになりました。なんと、宇都宮市は160億円もの費用をかけて、江戸時代の水堀を再現する整備工事を行ったのですが、現在では堀にほとんど水がないというのです。この問題の原因は一体何なのでしょうか?

江戸時代の再現にかけた努力

宇都宮城址公園の堀は幅11~26メートル、面積3900平方メートルで、土塀や2棟の櫓が建てられた土塁に沿って掘られています。しかし、なぜか堀の北側はコンクリートの底が見えてしまい、水がない状態になってしまったのです。

宇都宮城は平安後期に築かれ、江戸時代には本丸や二の丸の周りに堀がめぐらされ、水をたたえていました。しかし、明治維新の戊辰戦争で建物の大半が焼失し、土塁は壊され、堀も埋め立てられてしまったのです。その後、市は宇都宮城の姿を後世に伝えるため、2000年度に「復元」計画を立て、約161億5千万円を費やして整備工事を進めました。

工事が完了した後は、ポンプで地下水をくみ上げ、堀に水を溜めることができていました。しかし、約5年前から水位が減少していき、現在では水がたまらない状態になってしまったのです。

地下水の問題と対応策

市公園管理課によると、地下水には鉄分が多く含まれており、パイプやポンプ本体がさび付きやすいとのことです。そのため、清掃や部品の交換を行って対応したものの、鉄分の付着が激しくなり、なかなか問題を解決することができなかったそうです。

市は現在、地下水ではなく雨水に頼っている状況です。北から南に向かって傾斜があり、雨が降ると南側にしばらく水がたまるということです。しかし、訪れる人からはなぜ堀に水がないのかという質問を受けることもあるそうです。

改善への期待

この問題に関しては、市民団体「宇都宮城跡蓮池再生検討委員会」が関与しています。宇都宮城の絵図に「蓮池」とあることが分かり、蓮池の再現を市に提言・要望したとのことですが、聞き入れられなかったようです。

現在では蓮池の再生は難しい状況になっていますが、同会は城址周辺での再生も視野に活動を続けています。雨水をためて流入させるなどの方法も検討しており、改善に期待が寄せられています。

以上が、宇都宮市が抱えるお城の堀の水位低下の問題についての報道です。もともとは江戸時代の復元を目指した整備工事でしたが、現在では水がない状態になってしまいました。今後、問題の解決に向けて取り組まれることを期待しましょう。

(画像出典元:日本ニュース24時間)

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