旧統一教会、渋谷一等地に未公表ビル所有 土地推定額は5億円超

旧統一教会の所有が新たに判明したビル

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、東京都渋谷区の一等地にビルとその土地を所有していることが新たに分かった。推定評価額は5億4705万円。毎日新聞の調査で教団の所有権が判明した土地は計100カ所となり、推定評価額は権利関係が複雑な1カ所を除き計92億6600万円となった。

教団本部もある高級住宅街

これまでに実施した調査の対象は、教団が8月時点でホームページ(HP)で公表していた教会など関連施設296カ所。このうち、教団が少なくとも土地99カ所・建物91棟の所有権を持つことが既に判明している。だが、今回のビルはHPで公開されておらず、他にも教団が所有権を持つ物件が存在する可能性がある。

新たに所有が判明したのは、教団本部の向かいにある鉄骨3階建てのビル。江戸時代に紀州徳川家の下屋敷があり、現在は都内指折りの高級住宅街として知られる松濤(しょうとう)地区に建つ。

JR渋谷駅から商業施設「SHIBUYA109」の北側(右側)を進み、1月に営業を終了した東急百貨店本店跡の脇を歩くと、閑静な住宅街にたどり着く。ビルはその一角にあり、駅から徒歩15分ほどの距離だ。

推定評価額は3番目の高額物件

不動産登記によると、ビルは1995年に建設され、当初は教団関連の書籍を出版する「光言社」が保有していた。2014年に建物は売買、土地は代物弁済によって所有権が同社から旧統一教会に移った。

土地の面積は345平方メートル。土地99カ所を調査した際と同様の評価方法で試算すると、推定評価額は5億4705万円。教団本部(8億4115万円)、多摩市の研修施設予定地(6億7673万円)に次ぐ高額物件だ。

旧統一教会の財産を巡っては、政府による解散命令請求後に海外などに散逸する懸念が指摘されるが、教団が保有する資産の規模は公表されていない。

田中富広会長は11月7日の記者会見で「(供託金の原資として)不動産の売買までは考えていない。大半は教会だ。教会を転売するということは、信徒たちの集まる場所もなくなれば、宗教行事を行う場所もなくなるということなので、資産を手放すのは想定外だ」と話していた。

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