かつて宝塚歌劇団に所属していた元劇団員が、13日放送の読売テレビ「ミヤネ屋」に出演し、劇団内で続いてきたパワハラの実態について激白しました。
「清く、正しく、美しくからはほど遠い暴言や人格否定」
9月に宙組所属だった女性が宝塚市内で転落死し、現在、遺族が劇団などに補償と謝罪を求めています。元劇団員の女性も遺族側の弁護人が記者会見で語ったような数々のハラスメントについて、「清く、正しく、美しくからはほど遠い暴言や人格否定があった」と認めました。
上級生と下級生の圧倒的な力関係
元劇団員によると、上級生と下級生の圧倒的な力関係は昔からずっと存在していました。「名札が曲がっている」「あいさつを無視した」「態度が悪い」など口実は多々ありました。下級生が気にくわない態度をとると、上級生によって下級生が部屋に集められて“反省会”を強要されました。しばらく話し合っていると、上級生が部屋をドンドンドンと激しく叩きました。出ていくと長時間の説教が待っていました。「お風呂にも入らせてもらえないし、食事もとれない。朝まで続くこともあって寝られないこともあった」という信じられないような仕打ちをされたこともあったそうです。
パワハラは上級生だけではなかった
パワハラは上級生だけではありませんでした。振付師から「体型が崩れた」と指摘された時は、演出家や劇団員がいる中で前に立たされ、延々と罵詈雑言を浴びせられたこともあるというのです。
長時間労働は日常茶飯事
長時間労働は日常茶飯事でした。初舞台の稽古の時には1カ月以上休みがなく、「何の誇張もなく早朝から深夜まで稽古だった」とのこと。また「娘役はアクセサリーが手作りなんです。公演前は自宅や寮で夜を徹して作っていました」と、にわかには信じられないような劇団の実情を明かしました。
宝塚歌劇団の変革を願って
元劇団員は「亡くなった方も舞台に立ったらすべて忘れられると話されていたそうですが、その気持ちはとてもよくわかります。きらびやかな衣装を着て、照明を浴びて、セリフを言うというのは、それ自体はすごくいい思い出」と振り返りました。ただ、「私も含めて、何百人もの卒業生が暴言を受けたり、吐いたりしていたにもかかわらず、なかったことにしているのが辛いし恐ろしい」と自省し、「長時間労働を舞台に向けての精進、パワハラを愛とか指導とかの美談に置き換えられてきた。暴力と認識できなくなってしまった」と悔やみながら、宝塚歌劇団が変わることを願っていました。
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