熊対策 各地で奔走 やぶ刈り払いや地図作成も

11月になっても熊の出没・被害が続く中、各地の住民グループや自治体は、安全確保のため、熊が潜むことができるやぶの刈り払いや出没情報などの共有を進めています。11月は熊が冬眠に入り始める時期だけれども、餌を探して動き回ることを考慮しています。熊を人里に近づけず、遭遇するリスクを下げるための対策に奔走しています。

「出没マップ」で警鐘 目撃急増受け静岡県初制作

静岡県は、熊の目撃情報をまとめた「クマ出没マップ」を今年初めて作りました。県内で人的被害は出ていませんが、目撃情報が急増しており、11月以降も農家を含む県民に警戒を促すため作成に踏み切りました。

マップを最初に公表したのは11月8日。県のホームページで公開中で、随時更新しており、熊の目撃場所と日付を番号を付けて表示しています。

県内の目撃情報は11月10日時点で72件に上り、21件だった昨年の3倍を超えています。10月だけで全体の4割近い27件に達し、11月だけでも既に13件の目撃報告があります。

県は「餌になる農作物を屋外に放置しておくと、その味を覚えて翌年以降も来る可能性があります。収穫後の残さなどをそのまま置いておかないよう、農家では注意してほしい」と呼びかけています。

竹やぶ刈って寄せつけず 新潟・新発田市の松岡集落

新潟県新発田市の松岡集落の住民有志でつくる里山整備保存会は、熊を人里に近づけないため、山際の竹やぶ40アールを刈り払いました。密集した竹を3分の1ほどに間引き、熊が隠れることができる場所を集落周辺からなくしました。

保存会は行政の補助を活用しながら、毎年10、11月に刈り払い作業を続けています。会長の湯浅英仁さん(23)は「山の手入れをきちんとして、熊が出てこないようにしたい」と話しています。

今年は11月に作業を開始し、14日までに、集落周辺の山際の竹やぶ計40アールに入り、高さ10メートルほどの竹をチェーンソーなどで切り倒し、奥まで見通せるほど密度を下げました。

山あいに位置する同集落では今年、熊が6回出没し、2頭捕獲されています。12日には、空き家の柿の木に熊が居座り、騒ぎとなりました。住民からは「怖くて犬の散歩もできない」「家を出るときは、なたを持参する」といった声が寄せられています。2020年には人身被害も発生しており、住民らは警戒を強めています。

市によると、今年の出没件数は104件であり、人身事故は2件です。20年に次いで、過去5年で2番目に多いとのことです。

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