北海道東部で、草食動物である牛に襲い掛かるヒグマの被害が相次いでいます。その中でも、牛66頭を襲ったヒグマ「OSO18」が特に人間によって肉を与えられたことで、異常な行動をするようになったと言われています。この問題の背景には、北海道で増加しているエゾシカの存在も関係しているようです。
オソ18の脅威
オソ18と呼ばれるこのヒグマは、肉を与えられたことで肉の味を覚えてしまい、草木の根や木の実ではなく、牛の肉をエサとするようになりました。このような異常な行動に危機感を抱いた北海道庁や地元の役場は、特別対策班を結成し、オソ18の捕獲に取り組んでいます。しかし、オソ18は非常に警戒心が強く、「忍者」とも呼ばれるほどの逃げ足の速さを持っているため、作戦は失敗を重ねています。
人間が生み出した問題
今年8月、オソ18の個体が実は駆除されていたことが判明しました。これによって危機は回避され、牧場経営者たちは一安心しました。しかし、専門家はオソ18の存在が人間によって生み出された問題であることを指摘し、警鐘を鳴らしています。もし第2、第3のオソが現れた場合、同じような被害が再び発生する可能性が高いのです。そのため、根本的な対策の取り組みが必要とされています。
被害の拡大
被害の始まりは2019年の夏で、標茶町や厚岸町などで牛の被害が相次いで報告されました。被害が集中する時期は、夏の6~9月であり、今年6月までに少なくとも66頭の牛が襲われ、そのうちの32頭が命を落としました。このような被害による損失は、2千万円を超えています。
被害に遭った酪農家の高野政広さんも、自身の牛が襲われた経験を語っています。牧場の被害だけでなく、家族の安全も心配でした。
オソの被害を受け、標茶町や厚岸町は特別対策班を結成し、オソ18の捕獲を目指して取り組んでいます。しかし、オソ18は捕まえるのが非常に困難であり、これまでの作戦は失敗を重ねています。
まとめ
肉の味を覚えてしまったヒグマ、オソ18の脅威が北海道で拡大しています。この問題は人間の関与が大きく、対策班の活動にも限界があります。今後第2、第3のオソが出現する可能性も考えられます。オソ18問題の解決には、根本的な対策が求められています。