羽生結弦報道は「公益性があったのか」 元NHK・武田真一アナ、疑問投げかけ

羽生結弦、銀盤にキス
【日中国交正常化50周年記念慶典】特別ゲストとして登壇した冬季五輪金メダリストの羽生結弦=2022年9月29日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

プロフィギュアスケーターの羽生結弦さんがSNS上で離婚を発表し、パートナーや親族らに対して誹謗中傷や無許可の取材、報道があったと報告した件を巡り、批判の声が上がっています。結婚相手の実名報道に関しても、「必要があったのか」などメディアの責任を問う声が相次いでいます。

自己表現の自由の限界

羽生結弦さんは離婚の理由として、許可のない取材、報道を挙げています。私は自己表現の自由は大切だと思いますが、無制限に自己表現の自由が与えられるわけではありません。

物事を伝える際に考慮すべきは、それが公益に資するかどうかです。つまり、伝えることによって、この社会がちょっとでも良くなるか、多くの人にとって生きやすくなるかを判断基準にしています。今回の報道に関しても、それが問われるべきだと思います。

公益性の判断基準

例えば、大きな権力を持った人物がプライベートで不法な行為をしているケースを考えてみましょう。この場合、不法行為を暴くことは、その人物にプライバシーがあっても、私たちがどういう人格の人物に大きな権力を与えているのかという情報を共有することになります。これは必要な情報であり、公益性があると考えられます。

しかし、羽生さん本人が伏せておきたいと考えているプライバシーを暴く行為は、果たして社会がより良くなることにつながるのかと考えると、私は今回のケースでは取材、報道に公益性があったとは思えません。

「羽生結弦、銀盤にキス」

記事のソースリンク: 日本ニュース24時間