レゴランドに「チケット高い、子ども入場しづらい」 施設側が秘策

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開園時間前のレゴランド・ジャパン。大勢の家族連れが列をなしていた=名古屋市港区で2023年6月25日午前9時50分、大原翔撮影

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 ◇中学生になると大人料金

 「これまで50回以上来ている。この雰囲気の中でアトラクションやレゴブロックを楽しむのが好き」。愛知県豊田市に住む中学1年の藤田浩志さん(12)は、小学生のころ友達に誘われて初めて来園して以来、レゴランドのとりこになった。

 園内の一角にある、来園者が自由にレゴブロックを組み立てて楽しめる屋内スペース「リビルド・ザ・ワールド・センター」。親世代も童心に帰ってブロック遊びに夢中になるその空間で、藤田さんはブロックを手に「何回来ても飽きない」と笑顔で話した。

 レゴランド・ジャパンの開業は2017年4月。レゴという名前は発祥の地デンマークの「Leg godt(よく遊べ)」という言葉が由来だ。世界8カ国で計10カ所のレゴランドがあり、日本は8番目にできた。

 レゴランド・ジャパンは開業以来、子どもの区分を「3~12歳」に設定。料金体系は曜日や時期によって4段階に分けている。例えば夏休みの特に混み合う連休などの「スーパーピーク」の時期の場合、1DAYパスポートの子ども料金は4800円だった。

 熱心に通い続ける小学生が、中学生になると13歳以上の大人料金6700円がかかる。この料金体系を巡り、来場者アンケートには「子どもが利用しづらくなった」「チケットが高い」といった声が多く寄せられていた。

 ◇「高校生を子どもに」

 こうした声に対応するため、施設運営会社「レゴランド・ジャパン合同」は6月27日から料金体系を改定。1DAYパスポートの価格は、大人(19歳以上)4500~7400円、子ども(3~18歳)3300~4800円とした。

 この狙いについて、本多良行社長は「親と子が一緒に過ごせる時間は限られる。高校生までは誰でも『子ども』として親と過ごせるようにした」と話す。

 帝国データバンク情報統括部は「中高生と大人の入場料金を分けるレジャー施設は珍しくないが、3歳と18歳を同じ料金とするケースは珍しい」と話す。

 ◇値上げ相次ぐレジャー施設

 一方、他のレジャー施設では光熱費や物価上昇などを理由に値上げが相次ぐ。

 帝国データバンクによると、全国の遊園地やテーマパークなどのレジャー施設190カ所のうち、入場料の値上げをしたのは22年に21カ所、23年には値上げ予定を含め61カ所に上る。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは8月から値上げし、東京ディズニーランドは10月から値上げする予定だ。

 これに対し、帝国データバンクが把握する限り、値下げした施設はレゴランド・ジャパン以外はないとみられる。

 ◇ジブリパークはライバルじゃない

 レゴランド・ジャパンの周辺エリアでは22年11月、ジブリ映画の世界観が体験できるジブリパーク(愛知県長久手市)が第1期オープンした。レゴランドにとっては集客を競うライバルの出現でナーバスになっているかと思いきや、本多社長からは「協業できるコンテンツができてうれしい。ジブリパークを競合だと思ったことは一切無い」と意外な答えが返ってきた。

 本多社長が大胆な料金改定に踏み切った背景には、愛知の観光に対する危機感もあった。

 民間調査会社「ブランド総合研究所」がまとめた22年の調査で、愛知は魅力度ランキングが20位、観光意欲度ランキングは34位。本多社長は「外国人の知り合いに『日本のどこに行ったか』と聞いても愛知、名古屋というワードは出にくい」と話す。

 「名古屋には、子どもや家族向けの施設は非常に充実している。例えば、名古屋港水族館は全国に二つしかないシャチが見られる水族館の一つであり、名古屋市科学館には世界最大のプラネタリウムがある」と本多社長。「我々自身がその魅力を理解し、協力して効果的に外へ発信していかなければならない」と力を込める。

 ◇愛知の観光発展、戦略がカギ

 シンクタンク「中部圏社会経済研究所」の難波了一・研究部長は「愛知県は全国の他の大都市ほど不動産の価格が高くなく、賃金は高いため、観光業発展に注力して外から人を呼び込むという発想が根付きにくかった」と説明する。

 「レゴランドは知育、ジブリパークは自然との共生など、子どものいる家庭に“刺さる”多様な特色をそれぞれの施設が持っている」と難波部長。PRの仕方がカギになるといい、「こういう要素を持つ愛知を、どういう人たちにどういう場所として捉えてほしいかを念頭に、戦略的に発信していく工夫が求められる」と指摘。行政も巻き込んだ取り組みの必要性を強調する。【大原翔】

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