ジャーナリストの江川紹子氏が21日、メディアプラットフォーム「note」を更新しました。フィギュアスケーターの羽生結弦さん(28)の離婚発表について、「取材や報道には『許可』が必要なのだろうか?」と疑問を投げかけました。
江川氏は、羽生さんの離婚発表に関する自身の思いに触れながら、羽生さんが誹謗中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道を受けていることを訴えました。その結果、「『許可のない取材や報道』を当然のごとく悪と決めつけて非難する言説が飛び交っている」と指摘しました。そして、「取材や報道には『許可』が必要なのだろうか?」と問題提起しました。
事件の渦中にいる人々に大勢の取材者が押しかけるメディアスクラムの問題がある一方で、記者は情報を得るために対象者に接触せざるを得ない立場にあることを説明しました。また、「事柄によっては、当事者が望まない私事を読者や視聴者が『知りたい』と願っている場合、報道はその願いに応えることを優先することもあるでしょう。例えば、芸能人やスポーツ選手、政治家などの著名人の交際や離婚、不倫、隠し子、過去の不祥事などに関する報道の大半は、そのようなものではないでしょうか。しかし、もし当事者の『許可』がなければ、取材や報道は行ってはいけないという考えになると、メディアは本人が望む情報だけを拡散する宣伝媒体になり果ててしまうのです」と述べました。そして、「実際、旧ジャニーズ事務所はそのようにメディアをコントロールしようとし、一部のメディアを除いては、その要求に従っていたのではないかと思われます。その結果に私たちは最近まで直面してきたのです」と具体例を挙げました。
メディアが当事者を批判する過度な報道やパパラッチによる追跡取材は問題だと認識していますが、「当事者の許可のない取材や報道を禁止する」という発想は、メディアや取材者の独立性を奪い、報道の自由を損なう危険性があると危惧しています。
江川氏はさらに、「羽生さんの場合、結婚の事実は伝えたいけれども、妻については触れられたくなかったのではないでしょうか」と考えます。ただの一般人ではなく、国民的なスターの結婚相手について知りたいと思う人も少なくありません。そのため、「メディアが社会的な関心に応えようと取材するには、夫の許可が必要という考えには私は賛同できません。もちろん、取材の方法は倫理や人権に適合している必要があることは言うまでもありません。だからこそ、どのメディアがどのような行動をとったかということを明らかにすることが重要だと思います」と続けました。
ソースリンク:日本ニュース24時間