岸田総理の池田大作氏弔問が物議 専門家の指摘に対する疑問と政教分離の距離感

岸田内閣総理大臣が、創価学会名誉会長の池田大作氏の弔意表明と弔問を行ったことが波紋を呼んでいます。一連の動きにより、政教分離の議論が再燃しているのです。

23日、創価学会葬が執り行われ、多くの関係者が参列しました。岸田総理は追悼文で「池田氏は、国内外で平和、文化、教育の推進などに尽力し、歴史に大きな足跡を残されました」と述べ、翌19日には創価学会本部を弔問しました。

しかし、この弔意表明と弔問に対しては、政教分離の原則に反するのではないかという批判の声が上がっています。松野官房長官は「個人としての哀悼の意を表するため、弔意を示したものと承知をしている」と述べましたが、SNS上でも議論が交わされています。

弔意は憲法違反に該当しない“社会的な儀礼”との専門家の指摘

憲法20条には、信教の自由とともに「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、または政治上の権力を行使してはならない」という規定があります。この観点から、作家・宗教学者の島田裕巳氏は岸田総理の弔問について、「憲法は宗教団体に特権を与えないことを規定している。今回のケースは、その範囲には入らない“社会的な儀礼”と考えていいだろう。最高裁もこれは憲法に違反しないと言っている。弔意だからセーフという感じはある」と指摘しています。

島田氏はまた、政治と宗教の関連についても言及しました。過去の歴代総理の靖国神社参拝を例に挙げながら、「公金を支出するかどうか」と「宗教活動を支援しているかどうか」が問題視される点を指摘しました。そして、島田氏は「人間が亡くなったことに対して意思を表明する“弔意”まで政教分離の議論になるのか」と述べ、総理が弔意を示したことに問題はないとの見方を示しました。

ただし、島田氏は岸田総理の態度の変化についても言及し、「こうしたケースが今までになく、岸田総理が最近、手のひら返しのように態度を変えてしまうことが不信感を助長している。最初から内閣総理大臣と記名せず、自民党総裁と名乗っていれば問題にならなかったのではないか」とも指摘しています。

今回の岸田総理の弔意表明と弔問について、最高裁の判断や専門家の意見もある一方で、議論は続いているようです。

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