沖縄県民の魂・泡盛の復権を目指そうと、県酒造組合など関係14団体は14日、県議会の新里米吉議長に「琉球泡盛で乾杯を推進する条例」の制定を求める陳情書を提出した。泡盛の出荷量は14年連続で減少しており、条例が起死回生の一打となるか。
陳情書では、泡盛は約600年の歴史を持つ日本最古の蒸留酒で、焼酎のルーツともなったと強調している。だが、泡盛の前途は決して明るくない。県酒造組合によると、昨年の出荷量は1万6829キロリットルで前年比5.1%減。14年連続の減少を記録した。
特に深刻なのが、県民の泡盛離れだ。昨年は県外への出荷量、海外への出荷量いずれも前年比増となったが、県内出荷は6.3%減だった。県酒造組合の佐久本学会長は「沖縄県内でも最初の乾杯はビールが主流となっている。泡盛が地元の酒だと思ってもらうためにも条例を実現したい」と意気込む。
平成25年1月に京都市で清酒普及促進条例が制定されて以降、全国では清酒や焼酎などで乾杯することを促す条例が計146自治体で制定されている。泡盛については今年7月に与那原町議会で可決されるまで条例はなかった。
陳情を受けた新里議長は「私も陳情を審査する経済労働委員会に所属している。議長はあまりしゃべるなといわれているけど、私からも一言お話ししたい」と前向きな姿勢を示した。9月議会で陳情が可決されれば、早ければ年内にも条例が制定される見通しだ。