京アニ公判 遺族「死刑制度の議論は別の場で」 弁護側意見に法廷で反論

青葉真司被告

令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司被告(45)の裁判員裁判が続いています。遺族らによる意見陳述が行われ、弁護側の意見に対して反論がなされました。

冤罪は争えない

弁護側は、裁判において死刑制度の是非に言及しました。「人を殺すことは悪いことなのに、なぜ死刑は正当化されるのか」と問いかけたのです。しかし、遺族の一人である父親は、この議論は不適切だと主張しました。彼は、京アニ事件において被告の犯人性に疑いがないと述べ、冤罪による執行を防ぐことへの理解を示しました。「冤罪は争えない。死刑制度の議論は別の場で行っていただきたい」と訴えたのです。

被告には「甘え」

この遺族の父親は、被告の生い立ちにも触れました。被告が虐待を受けた経験について明かされた際、彼は「絶句するようなものはないと思います」と述べました。さらに、被告が柔道大会での盾の燃やしを父親に命じられたエピソードに言及し、「被告が柔道をする許可を得て、栄養状態も良好で体力もあったことが分かります」と述べました。また、被告の生活保護受給に関しても「甘えがあったと思う」と指摘し、量刑については「謝罪や反省は求めていません。そんなことで償える犯行ではないからです」と述べました。

他の遺族も厳しい声を上げました。「被害者が味わった恐怖や絶望を同じように味わってほしい」「一刻も早くこの世界から消え去ってほしい」と述べました。涙をこらえながら声を絞り出したり、怒りに震える声を上げたりと、遺族の苦しみや憎しみ、そして家族を失った悲しみを感じることができます。

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