「私はアルコール依存症者です」 元TOKIO・山口達也さん講演

山口達也さんの講演

山口達也さん、元TOKIOメンバーの講演会が名古屋市で開催されました。山口さんは、過去に自宅で毎日飲酒し続けたアルコール依存症の経験について語りました。

酒が人生の一部から依存へ

山口さんは冒頭で「私はアルコール依存症者です」と明言しました。CDデビュー後の22歳から30代まで、毎日のように飲み歩いていました。「友達が増えて世界が広がり、挨拶はいつも『飲みに行く?』でした」と振り返ります。

しかし、40歳になる頃から飲み方が変わりました。当時は朝の生放送番組の司会やバラエティー番組の収録など、活気に満ちた日々を送っていました。

友人との楽しい時間だったお酒が、いつの間にか「酔っ払うため」のものになっていたのです。「明日も忙しいから、とりあえず飲んで寝よう」という感覚で、山口さんは自宅で大量に飲酒するようになりました。その頃から眠りが浅くなり、睡眠障害にも悩まされるようになりました。

酒による苦境と向き合い

「睡眠導入剤と一緒に酒を飲んでいました。仕事もできていたので、異常な飲み方に気付いていませんでした」と山口さんは明かします。しかし、2018年に飲酒中に強制わいせつ容疑で書類送検され、所属事務所を退所せざるを得ませんでした。その後、アルバイトをしながら一人で断酒を試みましたが、「とても辛くて孤独な時期でした」と山口さんは振り返ります。

ある晩、山口さんは我慢していたはずの酒を飲んでしまいました。翌朝、記憶のないままバイクに乗り、事故を起こし逮捕されたのです。

「一体自分はどうなってしまったのかと初めて怖くなり、心の底から酒をやめさせてくれるよう、助けを求めて病院に行きました」と山口さんは述べます。

専門病院でアルコール依存症の自助グループに出会い、他の参加者との語り合いから自分自身と向き合うことができるようになったといいます。「いつも忙しくて『この仕事、自分でできるのかな』『あの人の方が面白い』と他人と比べていました」と不安に駆られ、自分を受け入れていなかったことに気付かされたのです。

今年3月に自身の会社を立ち上げ、各地で講演活動を行っている山口さん。「この病気と一生付き合っていくことを決めました。自分にとっては、経験を他の人に話すことが最高の治療法なんです」と山口さんは語ります。

講演会は名古屋市精神保健福祉センターが開催し、アルコール依存症への理解を深めるためのものでした。参加定員の320人には、開始から約1時間で申し込みが集まり、関心の高さが伺えました。山口さんの講演後の感想やメッセージは、同センターのユーチューブチャンネルで近く公開されます。

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