胎児の健康に懸念を抱える母親がテキサス州を提訴

ケイト・コックスさんは胎児の重篤な先天性疾患により中絶を求めています。

米国テキサス州で、妊娠中の胎児に重篤な先天性疾患が見つかった女性が、中絶を求めるために州を提訴しました。ケイト・コックスさん(31歳)は、胎児がフルエドワーズ症候群という染色体異常を抱えていることを最近知りました。この症候群による胎児は出産前に死亡する確率が高く、生まれてからもわずかな時間しか生きることができません。

中絶許可の訴え

コックスさんは、胎児の先天性疾患により母体の危険が及ぶ可能性や、将来的な妊娠の困難などを主張しています。彼女はテキサス州で中絶が法律で禁止されているため、医師からは「何もできない」と告げられたと訴えています。

命に関わる危険

超音波検査により、胎児の背骨のねじれや頭骨・心臓の発達に異常が見つかりました。現在は胎児の心臓が停止した場合に陣痛誘発剤を使用することが提案されていますが、コックスさんは以前に帝王切開を受けた経験があり、陣痛誘発剤の使用によって子宮が裂ける恐れや命に危険が及ぶ可能性があるため、リスクを避けたいと考えています。

悩ましい選択

コックスさんは「これは、わが子との別れについてではなく、いつ別れを告げるかという問題です。私は子どもと自分自身にとって最良の選択を望んでいるのですが、テキサス州は私たちに苦痛を与えていると感じています」と訴えました。

提訴の理由

コックスさんの提訴には、夫と産婦人科医も名を連ねています。夫は妻が中絶を行うことに関与した場合に訴追されないことを求めています。また、産婦人科医は裁判所の許可があれば中絶手術を行う準備ができていると述べています。

テキサス州の中絶禁止法

テキサス州では、厳格な中絶禁止法が施行されており、妊娠がレイプや近親姦の結果であっても中絶が認められません。さらに、中絶を受けた本人だけでなく、中絶に協力した人物を告発することができる州法も存在します。医師が中絶手術を行った場合、99年以下の禁錮刑や10万ドル以下の罰金が科せられ、医師免許の剥奪の可能性もあります。

中絶を訴えるケイト・コックスさんと彼女を支持する人々は、胎児の健康と母親の安全を守るためにテキサス州の法律が見直されることを求めています。

記事のソースリンク: 日本ニュース24時間