「聖域」と化したタカラヅカ 経営トップの寵愛を受け、いつしか構造的パワハラの温床に 宝塚歌劇団が舞台を守るために必要なことは何か

宝塚歌劇団内部での上下関係の問題が明るみに出た。俳優の女性(25)が急逝したことをきっかけに、外部弁護士らによる調査が行われ、ハラスメントやいじめの証拠は見つからなかったと報告された。しかし、関係者への取材によると、異なる証言も相次いで寄せられた。

絶対的な上下関係に基づく構造的なパワハラの温床

もしこの事実が本当ならば、なぜ古い慣行が続いていたのでしょうか。歴史を振り返ると、阪急電鉄の一部門であった宝塚歌劇団は創業者や経営トップからの寵愛を受け、「聖域」と化していたことが明らかになりました。一部門にすぎない歌劇団が華やかなショーの舞台裏で独善的な姿勢を取っていたのでしょうか。多くのファンの前で悲劇を起こさずに公演を続けるために、今必要なことは何でしょうか。(共同通信=宝塚歌劇団問題取材班)

歴代トップの強い思い入れ

宝塚歌劇団は1914年に小林一三という阪急電鉄創業者によって設立されました。小林は鉄道の沿線で百貨店を開業したり、東宝映画を設立するなど、新しいビジネスモデルを確立しました。彼は多くの事業に携わる中で「歌劇作家」としても知られ、歌劇団のために28作品を制作しました。

宝塚歌劇団の公式書籍には、次のような一節があります。

「一三翁が特に深い愛情を持って取り組んだのが、宝塚歌劇だった」

経営トップの強い思い入れ

この強い思い入れは、親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長によって受け継がれました。

角氏も歌劇団に曲を提供していました。ペンネームは「岸一眞」。彼は2010年から宝塚音楽学校の理事長を務め、今年の12月1日に退任しました。

かつて、歌劇団の上場が検討された際には、角氏が壁となって立ちはだかりました。阪急HD(当時)の筆頭株主であった投資会社が、歌劇団や東宝のコンテンツを管理する新会社を設立し、上場させる案を構想しました。

しかし、当時の阪急HD社長であった角氏は断固反対しました。「上場すればつぶれることもある。90年以上続いた宝塚をそうするわけにはいかない」

阪急は”パトロン”、歌劇団には口を出さない

あるグループ関係者によると、「阪急の人は皆、歌劇団が大好きです。普段から公演を観に行く人も多いです。一方、阪神タイガースにはそれほど関心がありません」と語ってくれました。

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