世界中の音楽シーンをリードするアメリカで、日本の女性ダンサーが夢に向かって踊り続けています。村内有紀(37歳)は、2018年に引退した安室奈美恵さんのバックダンサーとして長い間活躍し、アメリカに渡ってからはグウェン・ステファニーやニッキー・ミナージュ、テイラー・スウィフトなど、世界的なアーティストと共演し、その信頼を勝ち取ってきました。彼女の原点は、ダンスへの情熱と行動力に満ちていました。
子供の頃からダンスの道を歩む
村内有紀さんは生まれつき、表現者としての才能を持っていました。姉の影響で6歳からクラシックバレエを始め、中学では優れた新体操選手として頭角を現し、埼玉県の強豪高校に進学しました。県の強化指定選手として、全国高校総体や国民体育大会にも出場しました。大学では「なにか別のことがしたい」と感じ、高校の文化祭で踊ったジャズダンスに興味を持ちました。彼女は言います。「その時に教えてもらったダンスの先生がスーパースターのようで、ダンスが楽しいと感じました。ジャズダンスに強く惹かれました。」
プロダンサーへの挑戦
村内有紀さんは20歳でプロダンサーとしての道に進む決意をしました。大学在学中はアルバイトをしながらダンススクールに通い、練習に励みました。卒業後は本来は就職する予定でしたが、ダンスの道に進むことを選びました。彼女にとって、ダンスは生きる喜びでした。彼女はアルバイトをしながらダンスチームを結成し、夜のクラブのイベントに出演し、オーディションにも挑戦しました。彼女は言います。「深夜にショーをして、始発で朝から夕方までアルバイトして、その後にダンスレッスンに行って寝れる日は寝る。好きなことだったから、苦労という感じはしなかったです。」
安室奈美恵さんのバックダンサーとしての仕事
村内有紀さんが本格的なプロダンサーとしての仕事に就いたのは、安室奈美恵さんのバックダンサーとしての仕事でした。イベント参加時に彼女の才能が評価され、少人数のオーディションに招かれました。彼女は言います。「びっくりしました。それまで私は、ダンスの仕事の経験がなかったので、ショーやスクールの発表会に出るだけの立場だと思っていました。」他のプロダンサーに圧倒されながらも、彼女は自分の力を発揮し、厳しい選考を突破しました。実は、その会場には本人である安室奈美恵さんもいたのです。彼女は笑いながら振り返ります。「奈美恵さんはオーラを消すように座られていたので、私は気づきませんでした。緊張していたので、頑張りたいと思っていました。審査員の人が座っている端っこにいて、奈美恵さんだと気づいた時にはもう終わっていました。」
アメリカでの挑戦
合格後、村内有紀さんの生活は一変しました。彼女は安室奈美恵さんと一緒に国内外のツアーやメディア出演、撮影などをこなす毎日を送りました。「本当にダンスの仕事しかできないスケジュールでした。初めてのことばかりだったので、たくさん学びました。この現場にいることが不思議でした。」一方で、競争が激しい環境でもありました。「奈美恵さんの現場では、毎年ダンサーが選ばれます。会場の規模に応じて人数が減らされます。なので、呼ばれなくなったら、それは自分が選ばれなかったことを意味します。けっこう厳しいです。」しかし、彼女はアメリカでの挑戦を決して諦めませんでした。
アメリカへの夢
アメリカへの憧れを持ったのは、大学時代です。大学2年の夏休みに自身のダンススクールの講師に勧められ、1カ月間単身でロサンゼルスにダンス留学しました。初めての海外でしたが、刺激的で学びに溢れた日々でした。「とても楽しくて、また来たいと思いました。」大学卒業後も毎年自費で渡米し、ダンス指導を受ける中で「アメリカで働くこと」に向けて意識が高まりました。そして、転機が訪れたのです。渡米した16年に友人から紹介された事務所のオーディションを受けたところ、一発合格しました。ビザ取得の問題や、日本での仕事もあったにもかかわらず、アメリカの事務所から「1年間はあなたのことをサポートします」という連絡があり、彼女は「これがタイミングなのかもしれない」という決断をしました。
アメリカでの挑戦
帰国後、村内有紀さんは安室奈美恵さんのツアーをこなしながら、現地の弁護士と連絡を取り合い、必要な書類を用意しました。ツアーが終わる頃にはビザ取得の手続きが進み、さらに安室さんが引退を発表する前に彼女は一人でアメリカに渡りました。言葉の壁に苦労しながら、住居探しや契約などの移住手続きを自分で進めなければなりませんでした。「日本とは違うので、最初の1、2年は大変でした。」それでも、アメリカでダンスを仕事にするという実感は何物にも代えがたいものでした。
まだ達成していない夢
村内有紀さんには、まだ達成していない夢があります。彼女が唯一叶えていない夢は、アーティストと一緒にワールドツアーに参加することです。彼女は言います。「ワールドツアーをアーティストさんと回ることが叶っていません。それが悔しいです。来年のビザ更新を機に、次の3年で絶対に叶えます。」彼女の夢とダンスへの情熱は尽きることはありません。彼女はこれからも成長し続けます。
この記事は「日本ニュース24時間」から提供されています。