マイナ保険証、使う際のトラブル多発!端末エラーや「無保険扱い」の問題

マイナ保険証専用のカードリーダーが置かれている窓口。保険証持参を促すポスターが貼られている(8日、福岡県宗像市の林外科医院で)

医療機関で、健康保険証の代わりにマイナンバーカード(マイナ保険証)を使う際にトラブルが相次いでいるという。機器の不具合により利用ができなかったり、保険の自己負担割合を確認できなかったりすることがあるそうだ。さらに、「無保険扱い」となり、医療費の10割を自己負担しなければならないケースもあるとのことだ。医療機関の一部では現行保険証の持参を呼びかけているが、保険証は来秋には廃止される予定であり、根本的な解決には至っていないようだ。

マイナ保険証の利用状況

マイナカードを利用する医療機関では、3月以降、保険証や障害者手帳などの情報が誤ってひも付けされる事態が全国で発覚している。これに対し、政府は総点検本部を設置し、これまでに約1万5907件の誤登録を確認したと発表している。この問題の主な原因は、事務手続きの申請時にマイナンバーを提出しなかったり、ひも付け実施機関(医療保険者)が氏名と生年月日のみでシステムに照会したりしたことだと言われている。そうした中、政府は今月12日、「メドが立った」として、現行保険証を来秋には原則廃止する方針を表明した。

マイナ保険証の利用状況

トラブルは続いている

医療保険者の総点検は夏までに終了する予定だが、トラブルは秋以降も報告されているという。全国保険医団体連合会が公表した調査によれば、回答した1907医療機関のうち約6割が「10月以降も問題があった」と回答している。その中で、「カードリーダーでエラーが発生する」との報告が約4割に上ったと言われている。

福岡県保険医協会の調査でも、「資格情報が出てこなかったために自費診療(10割負担)になった」「(10割負担になることを伝えると)受診を諦めて帰られた」という声が寄せられている。さらに、保険資格の表示ミスも頻繁に発生しており、3割負担の患者が2割負担と表示されるなど、実態と異なる表示が40件もあったとのことだ。このような問題は解決に時間がかかっており、受付業務の負担が軽減されていないという指摘もある。

マイナ保険証の導入は、本来、医療費の支払い手続きをスムーズにするためのものであるはずだ。しかし、現状では利用者にとっては不便で、医療機関側にもトラブルの要因となっている。今後、マイナ保険証のトラブル解消に向けて、より一層の取り組みが求められるだろう。

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