パーティー券スクープ“赤旗砲”の舞台裏を直撃取材 編集長が予告「次の号で『岸田さんはどうなの?』で問題提起したい」

「しんぶん赤旗」日曜版の山本豊彦編集長が、パーティー券裏金疑惑について予告を行いました。この問題は、自民党を揺るがすものであり、しんぶん赤旗は1年以上前にこれを報じていました。

スクープの裏側を直撃取材

しんぶん赤旗は、「桜を見る会」や「日本学術会議」などの報道で、日本ジャーナリスト会議JCJ賞を2年連続で受賞しています。その編集部は、後に一大スキャンダルとなる事件の裏側を早くから伝えていたのです。

編集長の山本豊彦氏によれば、この問題は「企業献金が腐敗の温床だ」との批判から始まった「政党助成金」の制度が関わっていると説明しています。同時に、「抜け穴」がいくつか存在することを指摘し、その中でもパーティーが問題視されていると述べています。

「派閥は今、8割がパーティー。『組織的に行われている』ということで報じた。実は最初に気付いたのは、この報告書。パーティー資金を受ける側(派閥)は20万円を超えないと記載する必要はないが、出す側(企業・団体)は5万円を超えるものを書かないといけない。」と山本編集長は語ります。

若手記者が収支報告書を見ていると、「同じパーティーなのに、括弧で政治家の名前が書かれているケースが結構ある」と気付いたそうです。通常なら1回のパーティーで、同一の企業・団体から20万円以上の収入があれば、政党側は収支報告書に記載する義務があるはずですが、しんぶん赤旗記者が入手したある政治団体の収支報告書では、ある団体が1回のパーティーで議員Aからは10万円、議員Bからは6万円、議員Cからは10万円の券を購入したと記載されていました。団体はあわせて26万円のパーティー券を購入したことになりますが、売った側の収支報告書には、団体名の記載はありませんでした。ここに気付いたしんぶん赤旗編集部が「パー券問題」を追及していったのです。「時間があると見ていた。追究する意志がないと、なかなか続かない」と山本編集長は話しています。

しんぶん赤旗の報道を受けて、神戸学院大学の上脇博之教授が調査に乗り出し、両者の連携によって、自民党の各派閥が相次いで記載漏れを訂正し始めたと言います。そして赤旗のスクープから1年後、上脇教授が刑事告発し、東京地検特捜部が捜査を開始すると、他のメディアも一斉にこの問題を報じるようになりました。

さらなる追及を予告

さらに、今回問題となったのは「キックバック」疑惑です。安倍派の議員たちが中心になって行われていたとされており、松野博一前官房長官らが更迭されました。一方で、同じく安倍派の鈴木淳司前総務大臣がキックバックを認め、宮澤博行前防衛副大臣が「派閥から収支報告書に記載しなくていいという指示があった」と明かすなど、「暴露合戦」も起き、波紋が広がっています。このような状況の中、山本編集長はさらなる追及を予告しています。

「国民にとって政治的責任・道徳的責任はどうなのか?というのが問われるべき問題。そういうのを次々と提起していきたい。次の号でも『岸田さんはどうなの?』を。岸田派は収支報告書の記載漏れを指摘されているが、中身はまだ報道されていません。それをなんとか報道できたら…。『自民党全体がそうでしょう。岸田政権どうするんですか』という問題提起をしたい」と山本豊彦編集長は話しています。

このように、しんぶん赤旗は政治の闇を暴くために精力的な活動を行っており、次号で新たな問題提起を行う予定です。

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