中国吉林省・チャガーン湖の冬の漁、1000年続く伝統の最盛期に

チャガーン湖(査干湖)は、中国東北部の吉林省松原市前郭爾羅斯(前ゴルロス)モンゴル族自治県にある湖で、氷の上で行われる「冬の漁」が特に有名です。この湖は吉林省の漁業生産基地であり、種類豊富な魚が捕れます。また、その独特な生態と地理的条件から、古くから「氷に穴を開けて魚を捕る」漁法が行われてきました。

伝統的な漁法の継承

チャガーン湖の冬の漁は、中国の遼代から金代に始まり、なんと1000年以上も続いています。この漁法では、氷の上に穴を開けて網を張り、馬で網を引くという古い方法が代々受け継がれています。漁の成果は「漁のバートル」と呼ばれるリーダーの判断に左右されます。彼らは氷面を観察し、魚の群れの位置を判断し、どこに網を張るかを決めます。実際に、1回で50トン以上の収穫を得ることは非常に困難なことです。

新しい世代の漁のバートル

冬の漁の第3チームの若い「漁のバートル」である辛継竜さんは、チャガーン湖の22代目のリーダーでもあります。辛さんは、50人以上のチームメンバーと共に、毎年氷点下20度の寒い朝6時半に出発します。彼は氷の厚さや泡、透明度などを判断基準として利用し、魚の群れの位置を把握しています。また、辛さんは重要なルールである「網目が20センチの漁網を使用すること」という伝統を強調しています。小さな魚は網から逃げることができるため、彼らは毎年50万キロの稚魚を湖に放ち、持続可能な漁業を実践しています。

中国吉林省・チャガーン湖の冬の漁は、その長い歴史と独特な漁法によって、地元のモンゴル族にとっての誇りとなっています。この伝統を守りながら、新しい世代の漁のバートルが未来に向けて活躍しています。

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