数十年前、一つのエネルギーの災害が、人間には住めない300万エーカーの土地を残し、85,600から240,000人の命を奪いました。歴史の学生なら、これらの衝撃的な統計がチェルノブイリの原子力事故を指していると思うかもしれませんが、それは間違いです。いいえ、この壊滅的な惨劇は中国・河南省での「坂口ダム決壊」のせいでした。比較すると、チェルノブイリではこれより15倍少ない人々が亡くなり、その面積も1/6になります。
坂口の大惨事
坂口とチェルノブイリの惨事は、規模は異なりますが、似たような状況で発生しました。中国共産党が大躍進時代にソビエト連邦の指導を受けて建設したダムは、設計の不備と急ごしらえで造られました。まさにチェルノブイリ原子力発電所と同じです。さらに、党の役人たちは「より革命的に」するためにできるだけ多くの水を貯めることを望みました。ダムプロジェクトの主任エンジニアで水文学者の陳星は、その表面的な目的に反対し、追加の安全対策を主張しました。しかし彼の意見は却下され、後に他の仕事に配転されました。
陳星の警告は、1975年8月初旬に台風ニーナが坂口を襲い、3日間に1メートルの水を降り注がせたときに的中しました。ダムは耐えられませんでした。重いストレス下で崩壊し始めると、ダムを救うために努力する作業員の一人が、「チュウ・ジャオジ！」と叫んだと報じられています。「川の竜がやってきた…」
破壊されたダムの残骸からは、最終的に6億立方メートルの水が流れ込み、高さ6メートル、幅12キロメートル、時速50キロメートルで移動する水の壁が形成されました。その巨大な洪水は62のダムをさらに崩壊させ、30の都市を水没させ、680万戸の家を壊滅させました。数千人が溺れ死にました。さらに多くの人々が飢餓や病気で亡くなることになりました。中国共産党はこの惨劇に関する公的な報告を10年以上も封じました。
原発には怖れ、ダムには怖れず
坂口ダムの失敗の全貌が明らかにされた現在、世界中で生命を救うために水力発電ダムの建設を止めるための運動は存在していません。それは当然のことです。確かに、水力発電は完璧ではありません。川を変え、野生生物を乱し、建設には費用がかかります。しかし、それは依然としてクリーンで、一般的に安全な電力源です。約半世紀前、何十万人もの命を破壊したのは、移動する水から再生可能エネルギーを利用する行為ではなく、共産主義政府による無能さでした。
残念ながら、この重要なニュアンスは原子力発電に関して広く認識されていません。1980年代には、アメリカで46基の原子力発電所が稼働しました。しかし、チェルノブイリの後、建設が始まったのはそのうち4基だけであり、これらはいずれも完成していません。排出物のないエネルギーを生み出しているにもかかわらず、「原子力」という言葉は汚れた言葉となってしまいました。
証拠は、この根拠のない信念を一掃します。さまざまな研究が同じ結論に至っています: 原子力発電は地球上で最も安全な電力源の一つです。わずかな災害の脅威に私たちを恐れさせて、安全でクリーンで信頼できるエネルギー源から遠ざかるべきではありません。これは、人類を容易に電力供給し、何世紀にもわたり炭素排出を防ぐことができるエネルギー源です。
