安倍晋三首相(自民党総裁)は8日、11日に内閣改造とあわせて行う党役員人事で、加藤勝信総務会長を交代させ、後任に鈴木俊一五輪相の起用で調整に入った。加藤氏は再入閣する案が浮上している。
首相は同日、東京・富ケ谷の私邸で麻生太郎副総理兼財務相と面会し、人事について意見を交換した。鈴木氏は麻生氏が率いる麻生派(志公会、54人)に所属し、父は鈴木善幸元首相。衆院当選9回で、環境相などを歴任した後、平成29年8月~30年10月には五輪相に就任。失言により今年4月に辞任した桜田義孝前五輪相の後任として、再任した。同じ麻生派の所属で処遇が注目されている甘利明党選対委員長については、党の要職での起用が有力となった。
甘利氏は平成24年12月発足の第2次安倍内閣で経済再生担当相に就任し、首相の経済政策、アベノミクスの司令塔役を担ったほか、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉を進めるなど首相の信頼が厚い。
また、留任が固まった岸田文雄政調会長が、党憲法改正推進本部長を兼務する案が出ていることに関して下村博文憲法改正推進本部長は8日、「(首相に)そういう思いがあるのか」と聞いたところ、首相が「そういうことは考えていない」と答えたことを明かした。都内で記者団に答えた。