プーチン大統領、ウクライナの核武装を断固拒否 – ゼレンスキー大統領の発言にロシアが強く反発

ウクライナのゼレンスキー大統領が、自国の安全保障のためにNATO加盟もしくは核武装の必要性を訴えたことに対し、ロシアのプーチン大統領は18日、ウクライナの核兵器保有は断じて認められないと強い口調で表明しました。

プーチン大統領は、ウクライナによるいかなる核兵器開発の動きも見逃さず、適切な対抗措置を取ると強調。「ロシアは断固としてこれを容認しない」と述べ、ウクライナの核武装を断固として阻止する構えを示しました。

プーチン大統領プーチン大統領

発端となったのは、ゼレンスキー大統領が17日に明らかにした、アメリカのトランプ前大統領との9月の会談内容です。ゼレンスキー大統領は、ウクライナの安全保障のためにはNATO加盟が不可欠であり、それが実現しない場合は核武装という選択肢も視野に入れる必要があるとトランプ氏に訴えたとされています。

ゼレンスキー大統領は、旧ソ連崩壊後にウクライナが核兵器を放棄した経緯に触れ、NATO加盟がロシアの侵略を抑止する唯一の現実的な方法だと主張しました。

しかし、この発言はロシア側の強い反発を招く結果となりました。プーチン大統領は、ウクライナの核武装は国際社会の安全保障体制を揺るがすものであり、絶対に許されるべきではないと非難しました。

ゼレンスキー大統領はその後、発言の真意について釈明し、ウクライナが実際に核兵器を製造する準備をしているわけではないと強調しました。

ウクライナ情勢の緊迫化に拍車

今回のゼレンスキー大統領の発言とロシアの強い反発は、ウクライナ情勢の緊迫化に拍車をかける可能性があります。

ウクライナは、2014年のロシアによるクリミア併合と東部ドンバス地方での紛争以来、ロシアからの軍事的な脅威に直面してきました。NATO加盟は、ウクライナにとって悲願であり、ロシアの侵略を抑止するための切り札と捉えられています。

一方、ロシアは、NATOの東方拡大を自国の安全保障に対する脅威とみなし、ウクライナのNATO加盟を阻止するためにあらゆる手段を講じる構えです。

ゼレンスキー大統領の発言は、ロシアに対するけん制の意味合いもあったとみられますが、結果的にロシアを刺激し、更なる緊張の高まりを招く可能性も否定できません。

今後、ウクライナ情勢は予断を許さない状況が続きそうです。