「仕事ができる人」になるためのコアスキル②:成長を左右する当たり前水準の重要性

人事、採用、マネジメントといった職場課題を探る連載第10回。「仕事ができる人」になるための普遍的な「コアスキル」に焦点を当てます。前回「自己認知」を解説しましたが、今回は4つのコアスキルの2つ目、「当たり前水準の高さ」を取り上げます。この水準が、なぜ成長速度に大きな差を生むのかを解説します。

当たり前水準とは何か?その定義と重要性

当たり前水準とは、「ここまでやれば自分は頑張ったと言える」という、個人が内心で設定している基準のことです。同じ能力を持つ人でも、この当たり前水準が異なるだけで、その後の成長の仕方やスキルの伸びには歴然とした差が生まれます。あるいは、スタート時点の能力が低いと見られていた人が、当初は優秀だった人を追い越していく。これも当たり前水準の違いによるところが大きいと考えられます。

当たり前水準の差がもたらす成長の違い

具体的な例として、2人の社員を比較してみましょう。Aさんは、もともと能力はさほど高くなく、仕事の手際も良くありません。しかし、常に「自分はまだまだ足りない、もっとできるはずだ」(当たり前水準が高い)と考えて努力を続けます。一方、Bさんは能力が高く器用で、何事もすぐに理解し習得できます。そのため、「これくらいなら簡単にできる、周りからも評価されているからこのままで十分だ」(当たり前水準が低い)と考えてしまいます。この意識の差が、時間とともに両者の成長カーブを大きく分けていくのです。

ビジネススキル向上イメージビジネススキル向上イメージ

まとめ

このように、仕事ができる人になるためには、生まれ持った能力だけでなく、自分自身に課す「当たり前水準」を高く保つことが極めて重要です。当たり前水準は、意識することで誰でも向上させることができる普遍的なコアスキルです。自身の成長を加速させるためにも、この水準を見直す価値は大きいでしょう。

参照元: https://news.yahoo.co.jp/articles/ef7dbe38b494d0f9bf60a4c003e452240ba50ae9