世界的コンビニチェーン誕生の可能性
カナダの投資会社アリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングス(HD)買収提案が注目を集めています。10月17日、クシュタールの創業者兼会長であるアラン・ブシャール氏とアレックス・ミラー社長が東京都内でインタビューに応じ、買収提案の背景や今後の展望について語りました。
ブシャール氏「日本事業は維持、巨大な価値創造を見込む」
ブシャール氏は、セブン&アイHD全体の買収に関心を持っていることを改めて表明。買収が実現した場合でも、セブン-イレブンをはじめとする日本国内の事業は維持していく方針を明らかにしました。
セブンイレブン店舗
世界最大のコンビニエンスストア企業が誕生することによる、規制当局の懸念を示す可能性についても言及。ブシャール氏は「我々には答えがある」と自信をのぞかせ、買収によって巨大な価値を創造できると強調しました。
日本側の理解を得られるかが焦点
今回の訪問は、クシュタールという企業を日本の関係者に深く理解してもらうことが目的だとブシャール氏。買収提案を検討するセブン&アイHDの特別委員会のスティーブン・ヘイズ・デイカス取締役会議長とは、既に面談を行ったことを明らかにしました。
ブシャール氏は、「日本文化への理解を深めたい。今は、この取引に関する日本側の懸念事項について理解したい」と、日本側の意向を重視する姿勢を見せています。
資金調達にも自信、メガバンクとの協議も
クシュタール側は、買収資金の調達にも自信を見せています。フィリペ・ダ・シルバ最高財務責任者(CFO)は、すでに日本のメガバンクの一行と協議を進めていることを明らかにしました。買収後もセブン&アイHDが必要とする投資を継続し、信用格付けも維持できるとの確信を示しました。
買収額は1株2700円、セブン&アイは反対の姿勢
クシュタールは9月、1株あたり18.19ドル(約2700円)での買収を再提案したとされています。これは、当初提案の14.86ドルや足元の株価と比べて約2割高い水準です。しかし、セブン&アイHD側は、企業価値を適切に反映していないとして反対の姿勢を崩していません。今後の協議の行方が注目されます。