3年ぶりの衆議院選挙がスタートしました。永田町では、自民党の裏金問題もさることながら、公明党と日本維新の会による大阪での戦いに注目が集まっています。
公明党発祥の地で試練
大阪は、1956年の参院選で支持母体の創価学会が初の議席を獲得した「公明党発祥の地」。以来、公明党は大阪3区、5区、6区、16区と兵庫2区、8区の計6選挙区で強固な地盤を築いてきました。
しかし、今回は状況が異なります。維新がこれらの6選挙区すべてに候補者を擁立してきたのです。これまで維新は、公明党との協力関係を重視し、これらの選挙区での候補者擁立を見送ってきました。しかし、昨春の統一地方選での躍進を受け、独自路線を強める姿勢を見せています。
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創価学会の高齢化と維新の攻勢
公明党にとって、この選挙戦は厳しいものとなる可能性があります。支持母体である創価学会の高齢化が進み、組織票をまとめるのが難しくなってきているためです。
一方、維新は着実に地方議員を増やし、公明党の支持層にも食い込んでいます。「公明党は全敗するのではないか」という声も聞かれるほどです。
維新を揺るがす「足立劇場」と橋下氏の動向
しかし、維新にも不安要素があります。元維新の足立康史前衆院議員が、政界引退後もSNSで維新を激しく批判しているのです。
足立氏は、維新を「政策詐欺」「公約詐欺」と呼び、大阪の公明党候補を応援するなど、その矛先は馬場伸幸代表にも向けられています。維新内には、足立氏の影響力を懸念する声も上がっています。
また、創業者である橋下徹氏と現執行部との距離感も気になるとです。橋下氏は、石丸伸二前安芸高田市長と親密な関係を築いており、維新を分裂させる可能性も囁かれています。
公明党の「裏工作」とは?
このような状況の中、公明党はしたたかな戦略を展開しています。立憲民主党が候補者を擁立している大阪6区と兵庫2区で、水面下で立憲民主党を支援しているというのです。
これは、反公明票を維新と立憲民主党に分散させることで、公明党の候補者の当選確率を高める狙いがあると見られています。
大阪での選挙戦は、公明党と維新の双方にとって、今後の勢力を占う重要な戦いとなります。その行方は、今後の政界に大きな影響を与えることでしょう。