【岸田前首相 応援演説で見えたもの】厳戒態勢と母親の本音、東京8区の選挙戦を追う

東京・杉並区のJR阿佐ヶ谷駅前。衆院選の熱気に包まれる中、異様な光景が広がっていた。自民党新人候補の応援演説に駆け付けた岸田文雄前首相。その周囲を取り囲む、見渡す限りの警察官。物々しい雰囲気に、街頭演説は静かな緊張感に包まれていた。

厳重な警備体制の裏側にあるものとは?

近年、政治家を狙った凶悪事件が後を絶たない。記憶に新しいのは、安倍晋三元首相の銃撃事件だろう。選挙活動中の安全確保は喫緊の課題であり、今回の厳戒態勢もその表れと言える。

会場周辺には、青と白のカラーリングが特徴的な大型警備車両や覆面パトカーがずらり。駅前ロータリーは路線バスを除き完全閉鎖され、聴衆は報道陣も含め、厳重な手荷物検査と金属探知機によるボディチェックが義務付けられていた。

会場を見渡せば、制服警察官に加え、スーツ姿のSPや私服警官の姿も。ビル屋上には双眼鏡やカメラを構える警備員の影も確認できた。

「子どもを連れてくるのも怖い」母親の本音

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演説に聞きに来ていた50代の母親は、今回の厳戒態勢について複雑な心境を吐露する。「これぐらいの警備がないと、子どもを連れて演説を聞きに行くことすら怖い」と、事件の発生をリアルに想像し、不安な気持ちを語った。

「もし流れ弾が当たったら…」「無差別に狙われたら…」

こうした不安を抱えながら選挙活動に参加しなければならない現状に、改めて警備の重要性と、平和な社会の実現を強く願わずにはいられない。

東京8区の選挙戦、候補者の訴えは有権者に届くのか

今回の東京8区の選挙戦は、自民党、立憲民主党、参政党、日本維新の会の候補者が激突する注目の選挙区だ。岸田前首相は応援演説で、自らが進めてきた経済政策や子育て支援、外交・安全保障政策について力説。経済政策については、聴衆から拍手が沸き起こる場面も見られた。

しかし、有権者の関心は、政治不信を招くような“政治とカネ”問題にも向けられている。岸田前首相は演説の中で、改めて謝罪の言葉を述べたが、その言葉は有権者にどのように届いたのだろうか。

選挙戦は終盤戦へ、未来を選ぶ権利と責任を

今回の衆議院選挙は、日本の未来を占う重要な選挙だ。各候補者が掲げる政策や、政治に対する姿勢をしっかりと見極め、未来を選ぶ権利と責任を一人ひとりが自覚する必要がある。

あなたは、誰に日本の未来を託しますか?