【衆院選2024】立憲民主党、共産党との距離で誤算?野党共闘崩壊の影響は?

10月27日に投開票される衆議院議員選挙。自民党の不祥事による逆風の中、野党第一党の立憲民主党は議席増加を狙う。しかし、前回選挙よりも苦戦を強いられている選挙区も少なくない。その背景には、野党共闘の崩壊という誤算があるようだ。

共産党との距離が招く「漁夫の利」

10月20日、投開票日を目前に控えた週末、東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅前に、立憲民主党の野田佳彦代表の姿があった。菅直人元首相のお膝元としても知られる東京18区は、リベラル層の支持が厚い地域だ。

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今回は菅氏の引退に伴い、前武蔵野市長の松下玲子氏が立憲民主党から出馬。しかし、自民党公認の福田かおる氏との接戦が続いており、予断を許さない状況だ。

立憲民主党関係者は、この苦戦の背景に野党共闘の崩壊があると語る。2016年以降、共産党は候補者を擁立せず、野党共闘の下で菅氏を支援してきた。しかし、今回は共産党が独自候補を擁立したことで、リベラル層の票が割れ、自民党候補に「漁夫の利」をもたらす可能性も出てきた。

「立憲共産党」のレッテルと野田新代表の誕生

立憲民主党は、前回の2021年衆院選で、共産党と「限定的な閣外からの協力」を約束し、多くの選挙区で候補者調整を行う野党共闘で臨んだ。

しかし、この連携は「立憲共産党」というレッテルを貼られ、中間層の離反を招いたとの見方もある。結果として、立憲民主党は議席を減らし、枝野幸男代表(当時)が引責辞任に追い込まれる結果となった。

その後、泉健太氏を経て、2023年9月の代表選で野田佳彦氏が新代表に選出された。野田氏は共産党との連携に否定的な立場を示しており、党の方針は「立憲共産党」のイメージ払拭へと舵を切ったと言えるだろう。

野党共闘崩壊の影響は?

野田氏の姿勢を受け、共産党は野党共闘から離脱。野田氏が出馬する千葉14区にも候補者を擁立するなど、両党の関係は冷え込んでいる。

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自民党の不祥事による逆風は追い風となるはずだったが、野党共闘の崩壊は立憲民主党にとって大きな誤算となった可能性がある。はたして、今回の衆院選で立憲民主党は議席を伸ばすことができるのか。今後の選挙戦の行方から目が離せない。