カタール、日本と韓国向けLNG供給の新規契約獲得で苦戦


[21日 ロイター] – 過去数十年間にわたり液化天然ガス(LNG)市場を牛耳ってきたカタールが、世界第2位と第3位のLNG輸入国である日本と韓国へLNGを供給する新規契約の獲得で苦戦している。米国、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンなど第三国への転売を認める生産国との競争が激化しているためだ。

カタールはかつて日本と韓国向けのLNG供給で首位に立っていた。しかし不要になったLNGの転売が可能な、買い手にとって柔軟な条件で供給に応じる米国などの生産国が台頭。消息筋によると、転売禁止条項を巡りカタールが強硬な姿勢を採っていることから、日韓との契約交渉が行き詰まっている。

取引業界の幹部は「カタールはLNGの販売で市場支配を維持しようと多くを要求するが、UAEのアブダビ国営石油会社(ADNOC)やオマーンなど(他の生産者)は有利な価格を得られれば満足する。ADNOCは供給の多様化が求められている今の状況をうまく利用している」と述べた。

カタールは日本、韓国と新規供給契約を締結できなければ、市場での地位が一段と低下しそうだ。既に2023年には供給面で世界トップの座を米国に奪われた。

日本のLNG需要は、原発の再稼働や再生可能エネルギーの増加、経済の減速を背景に減退している。カタールは日本のLNG市場でのシェアが2018年の12%から23年には4%に低下。半面、同じ期間に米国のシェアは3%から8%に上昇した。

カタールは韓国市場におけるシェアも2018年の32%が23年には19%に低下。この間にオーストラリアのシェアは19%から24%に、マレーシアのシェアは8%から13%にそれぞれ上昇した。  



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