自公、衆院選後の政局は混迷か? 連立政権の行方と石破首相の試練

自公過半数割れの可能性と政界への影響

産経新聞社とFNNの合同衆院選情勢調査によると、自公両党が過半数を割り込む可能性が浮上しており、政界に大きな波紋を広げている。もし実現すれば、連立政権の再編はもちろん、政局の混乱は避けられないだろう。石破茂首相(自民党総裁)は政権維持のため、新たな政党との連立参加や閣外協力など、あらゆる可能性を模索する必要に迫られる。

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派閥パーティー収入不記載事件の影響は根強く、石破首相は議席減を覚悟の上で衆院解散に踏み切った。しかし、自公過半数割れとなれば、想定をはるかに超える事態となる。

石破首相の危機感と連立政権維持への強い意志

「厳しい情勢だ。日本維新の会や立憲民主党は一体どんな政権を作ろうとしているのか。外交・安全保障、社会保障、農業政策など、具体的な政策が全く見えてこない」

21日、大阪府寝屋川市での街頭演説で石破首相は危機感をあらわにした。そして、「日本の独立性を守り抜くことができるのは、自民党と公明党の連立政権しかない」と、支持を訴えた。

仮に自公過半数割れとなっても、政権交代が起きる可能性は低いとみられている。立憲民主党は単独過半数には程遠く、衆院選後の特別国会での首相指名選挙で、野党が一致して立憲民主党の野田佳彦代表に投票するとは考えにくい。日本維新の会は立憲民主党との違いを明確化しており、共産党は142の小選挙区で候補者を擁立し、事実上の対決姿勢を示している。

連立枠組み拡大の可能性と課題

しかし、たとえ自公政権が維持できたとしても、衆院で過半数を割れば、政権運営は困難を極めるだろう。自民党の森山裕幹事長は20日のNHK番組で、連立の枠組み拡大に言及した。

「過半数割れするしないに関わらず、同じ政策を共有し、国の発展のために協力できる政党とは、前向きに協議していくべきだ」

特定の政党を念頭に置いているわけではないとしながらも、新たな連立パートナーの可能性を示唆した。自民党内では、憲法改正などで方向性が近い日本維新の会や国民民主党の名前が挙がっている。しかし、両党とも自民党の政治改革の姿勢には批判的で、連立協議は難航が予想される。

石破首相の責任問題と政局の行方

石破首相自身が掲げた「自公で過半数」の目標が達成できなかった場合、自民党内では首相の責任を問う声が強まるのは必至だ。特に、多くの前職が非公認や比例重複立候補を禁止された旧安倍派は、強い反発を募らせている。

情勢調査では、小選挙区で苦戦を強いられている旧安倍派の候補者が目立った。衆院で50人以上の勢力を誇っていた旧安倍派の勢力後退は避けられない状況だ。党幹部の一人は「石破おろしは起きない」との見方を示しているものの、公明党内からは、来年夏の参院選や東京都議選を前に、首相交代を求める声が上がる可能性もある。

不安定な政局の中、日本の未来は?

衆院選後の政局は予断を許さない状況だ。自公連立政権の行方、石破首相の進退、そして日本の未来は、選挙の結果次第で大きく変わる可能性を秘めている。