韓国の上場中堅企業500社のうち、半数以上が2024年上半期に営業利益を減らしたことが明らかになりました。景気の不確実性が高まる中、60社が赤字に転落し、韓国経済の厳しい現状が浮き彫りになっています。
企業データ研究所CEOスコアが発表した最新の調査結果によると、これら中堅企業の2024年上半期の総営業利益は6兆3411億ウォンで、前年同期の6兆6153億ウォンから4.1%の減少となりました。同期間の売上高は118兆9260億ウォンから122兆6277億ウォンへと3.1%増加しましたが、収益性の悪化が目立っています。
上半期に営業利益が減少した企業は269社に上り、全体の53.8%を占めます。特に深刻なのは、60社が赤字に転落した点です。さらに、エコプロマテリアルズ、トップエンジニアリング、チャバイオテック、三扶土建、STX、パールアビスなど22社では、赤字幅が拡大しており、企業運営の厳しい側面が示されています。
業種別動向:明暗分かれる韓国市場
業種別に見ると、IT・電機電子業界が最も大きな打撃を受けました。この分野の営業利益は、昨年上半期の1兆3462億ウォンから今年は1兆100億ウォンへと、約25%の大幅な落ち込みを記録しています。営業利益減少額上位10社の中には、ソジンシステム、WCP、多元シス、JNTC、ワイソルなど、IT・電機電子業種に属する企業が半数を占めています。また、建設・建築材業種も前年比で42.5%の営業利益減少となり、IT・電機電子に次ぐ減少幅となりました。
一方で、好調を維持した業種も存在します。サービス業種は、昨年の7977億ウォンから今年は1兆429億ウォンへと30.7%増加し、最も大幅な改善を見せました。特にYGエンターテインメントは、昨年180億ウォンの赤字から今年は179億ウォンの黒字に転換し、その増加幅が注目されます。造船・機械・設備業種もまた、32.2%の増加率を記録し、サービス業種に次いで高い成長を示しています。
ソウル江南区のテヘラン路のビジネス街。韓国経済の動向を示す象徴的な風景。
景気不況と外部要因の影響、今後の展望
CEOスコア関係者は、今回の業績悪化について「IT・電機電子業種が、米国発の関税政策の影響により需要不振に陥り、営業利益が大幅に減少したことが主な要因」と分析しています。韓国の中堅企業は、大企業の業績や国際情勢の影響を強く受ける傾向にあるため、現在の景気不況が続けば、さらなる業績悪化が進む可能性が高いと警告しています。
今回の調査結果は、韓国の中堅企業が直面する厳しい経営環境と、世界経済の変動が及ぼす影響を明確に示しています。今後の韓国経済全体の回復と、各企業の対応策が注目されます。
参考文献
- CEOスコア
- 聯合ニュース
- Yahoo!ニュース: 韓国上場中堅企業の半数以上、上半期に営業益減少…60社が赤字転落 (https://news.yahoo.co.jp/articles/a0d2e38f114f2efdaeff9111cbc7717e2c81b1d7)