【TSMC好調決算】AI需要は衰えず?エヌビディアとの連携で半導体市場を牽引か

世界最大の半導体受託製造企業であるTSMCが、10月17日に驚異的な決算を発表し、AI分野の力強い成長を印象付けました。これは、AIチップの需要が今後も継続することを示唆するものでしょうか?

ASMLの業績低迷と対照的なTSMCの好調

半導体製造装置大手のASMLが10月15日に発表した決算は、市場予想を下回る結果となり、半導体業界に暗い影を落としました。しかし、そのわずか2日後、TSMCが発表した好調な決算は、AI分野の異なる側面を浮き彫りにしました。

TSMCの第3四半期の純利益は、前年同期比で54%増の3253億台湾ドル(約1兆5200億円)となり、過去最高を更新しました。この予想を上回る業績は、AI技術への投資に対する収益性に疑問符が投げかけられる中でも、AI需要が依然として旺盛であることを示しています。

altalt

TSMC躍進の背景には顧客構造の違い

TSMCとASMLの業績格差は、顧客構造の違いに起因すると考えられます。ASMLは、インテルやサムスンなど、広範な半導体メーカーに製造装置を提供しています。一方、TSMCは、AIチップ市場を牽引するエヌビディアやAMD、クアルコムといった企業を主要顧客としています。

金融サービス企業モーニングスターの株式アナリストであるハビエル・コレオネロ氏は、「インテルとサムスンは技術面でTSMCに遅れをとっている」と指摘します。両社は、TSMCに比べて新しい製造プロセスへの移行が遅れており、それが業績不振の一因となっているようです。

AI需要はバブルなのか?

TSMCの魏哲家(C.C. Wei)CEOは、10月17日の決算説明会において、同社の成長は堅調であり、AI需要はバブルではないと明言しました。

「投資収益率(ROI)を見れば明らかだ」と魏CEOは述べています。「多くの企業がAIを活用し、生産性や効率性を向上させている。AIはバブルではなく、現実のものだ」

半導体市場の行方は?

TSMCの好調な決算は、AI需要が今後も半導体市場を牽引していく可能性を示唆しています。一方、インテルやサムスンなど、TSMCに後れをとる企業の動向も注目されます。

今後の半導体市場は、AI需要の動向、各社の技術革新、世界経済の動向など、様々な要因によって大きく左右されることでしょう。