ウクライナ軍、5万円のドローンで70億円相当のロシア防空システムを破壊!

ウクライナ紛争で、低コストながら高い効果を発揮する兵器として注目されているドローン。今回、ウクライナ軍がわずか500ドル(約7万6000円)のドローンを使い、ロシア軍の最新鋭防空システム「Buk-M3」を破壊したという驚きのニュースが飛び込んできました。

500ドルのドローンが軍事技術の常識を覆す

ウクライナ国防省の発表によると、10月21日早朝、ウクライナ軍の無人航空システム部隊が、ロシア軍の対空ミサイルシステム「Buk-M3」を攻撃、破壊に成功しました。驚くべきことに、この攻撃に使用されたのは、わずか500ドル程度のドローンだったとのこと。国防省は、X(旧Twitter)に「500ドルのドローンが1億ドル(約153億円)のBuk-M3を破壊した」と投稿し、攻撃の様子を収めた動画も公開しました。

ウクライナ軍のドローンによって攻撃を受けるロシア軍のBuk-M3対空ミサイルシステムウクライナ軍のドローンによって攻撃を受けるロシア軍のBuk-M3対空ミサイルシステム

動画には、ドローンから投下された爆弾がBuk-M3に着弾し、爆発炎上する様子が捉えられています。ウクライナ軍によると、攻撃は前線から60キロ離れた場所から行われ、ドローンには自由落下型の弾薬が搭載されていたとのこと。軍事専門家によると、一般的な弾薬搭載ドローンの作動範囲は20キロ、衛星通信アンテナを搭載した改造型でも40キロ程度とされており、今回の攻撃はドローン兵器における記録的な射程距離を達成したと言えるでしょう。

最新鋭防空システム「Buk-M3」とは?

2016年に導入されたBuk-M3は、ロシアの最新鋭中距離地対空ミサイルシステムです。旧型モデルよりも性能が向上したミサイルレーダーを搭載し、6基のミサイルを搭載可能。最大射程距離70キロ、最大高度3万5000メートルという広範囲をカバーし、空中標的、精密誘導兵器、戦術弾道ミサイルなど、あらゆる脅威から部隊を守ることができます。その価格はおよそ4000万ドルから5000万ドル(約61億円から76億円)とされており、ウクライナ軍にとって大きな脅威となっていました。

ウクライナ軍のドローン活用が戦況を変えるか?

今回の攻撃は、ウクライナ軍が安価なドローンを駆使して、ロシア軍の高価な兵器に対抗できることを示した好例と言えるでしょう。軍事技術の進化によって、もはや高価な兵器だけが戦場を支配する時代ではなくなりました。ウクライナ紛争は、今後の戦争のあり方、そして軍事技術の進化の方向性を大きく左右する可能性を秘めていると言えるでしょう。