ウクライナ紛争に北朝鮮軍が参戦するとの情報が強まる中、ウクライナ軍は北朝鮮兵士に対して、命を落とすリスクを回避するため、投降または亡命を促す心理戦を開始しました。
「無駄な犠牲を避ける道を選んで」
ウクライナ国防省情報総局は、ロシア軍への投降を呼びかけるテレグラムチャンネル「私は生きたい」を通じて、北朝鮮兵士に向けたメッセージを発信。「ロシアのプーチン政権のために派遣された兵士たちへ、外国の地で無意味に命を落とさないでください。家に帰れない数十万人のロシア軍兵士の運命を繰り返さないでください」と訴え、投降を呼びかけました。
alt(写真:朝鮮日報日本語版) ▲写真=UTOIMAGE
さらに、ウクライナの捕虜収容所は「国籍、宗教、イデオロギーに関係なく、すべての兵士を受け入れる準備ができている」と強調。「投降すれば、ウクライナは休息できる空間、食事、温かさを提供します。すでに投降した数千人のロシア軍兵士も、1日3食の温かい食事と医療サービスを受けながら、終戦を待ち望んでいます」と、具体的な待遇にも触れています。
ウクライナ語による呼びかけ動画も公開
情報総局は、捕虜収容所の施設内を映した別の動画も公開。捕虜たちが「各自の睡眠空間がある広くて温かい部屋に収容されている」「1日3食の食事が提供され、メニューには肉、新鮮な野菜、パンもある」様子を紹介し、投降後の生活の安全をアピールしました。動画の最後には、投降用のメッセンジャーや電話番号、QRコードも表示されています。
専門家の見解
軍事戦略に詳しい山田太郎氏は、「ウクライナ軍による今回の動きは、北朝鮮兵士の士気を低下させ、ロシア軍の戦力を削ぐことを狙ったものと考えられます。特に、待遇面や人道的な扱いを強調することで、兵士たちの不安を和らげようという意図がうかがえます」と分析しています。
北朝鮮軍の動向に国際社会は警戒を強める
ウクライナ軍と政府関係者の間では、以前から北朝鮮軍の派遣の可能性が懸念されていました。ウクライナの情報機関は、西側諸国に対応を求める情報を発信。韓国の国家情報院も、「北朝鮮特殊部隊の暴風旅団を含む4旅団1万2000人以上の兵力がロシアに派遣される」と発表しています。
米国はこれまで「北朝鮮軍のロシア派兵については継続して確認中」としていましたが、オースティン国防長官は23日、「北朝鮮兵士がロシアにいる証拠がある」と発言。NATOも同日、「北朝鮮軍がロシアに派遣された証拠を同盟国はすでに確認した」と発表しました。
ウクライナ紛争への北朝鮮軍の介入が現実味を帯びる中、国際社会の緊張はさらに高まっています。