俳優で歌手の小林旭(85)が先月中旬、東京都の自宅階段で転倒し、肋骨(ろっこつ)2本にひび、座骨などを圧迫骨折し全治3カ月の重傷を負っていたことが24日、分かった。この日、小林は大阪・道頓堀で、石川・能登地方への募金活動を行い、その囲み取材で自ら明かした。
同地は車を乗り入れることができず、観光客がごった返す中、足を引きずりながら到着した小林。それでも「被災されている方の、少しでも何かの助けになれば」と募金を呼びかけた。
小林によるとケガをしたのは9月中旬。自宅の2階に上がろうとしたところ、つま先が踏ん張りきれず11段転げ落ち肋骨にひびが入った。さらに後日、約20キロの水が入った段ボール箱を持ち上げると取っ手の部分が外れ尻もちを付いた。「その時に仙骨だか座骨がを圧迫骨折しちゃって。それで辞めればいいのに、また荷物を運んで段差でひっくり返って頭ぶつけて…」という。
度重なる災難に「若い時じゃ考えられない」と顔をしかめたが「階段踏み外した時も、かなりの音がして周りの人間は相当びっくりして飛んできたけど、オレにしてみるとたまたま無意識に受け身を取って、そのおかげでアバラぐらいで済んだんだろうけどね」と“マイトガイ”らしい反射神経を見せていた。
「人によると“3カ月ぐらいかかりますよ”って言われて。“まさか”と思ってたけど長引いてるね。今日も新幹線乗っかって来るともう痛タタタ、だよ」と笑った。病院には行ったが入院はせず、注射も勧められたが「セメントみたいなの入れるって言うんだよ。そんな痛そうなもん、いやだよ」と自然治癒を選び、この日もコルセットを腰に巻き来阪。明日、25日には大阪新歌舞伎座でコンサートも行い「30曲ぐらい歌いますよ、やるだけはやらないと」と力強かった。
今回の募金活動は、石川県七尾市出身の実業家で「大阪かに源」を営む武田源氏との縁で実現。旧知のプロデューサーの橋渡しで今月10日に出会ったばかりだが意気投合し、さらにケガも負っていたが「心意気にほれたからね」と快諾した。
能登には何十年も前に映画の撮影で行ったことがあるそうで「朝市なんかもあって、のどかでいいなあ、という思い出がある。天災だから起きちゃったものは仕方ないと思うけど、ただ、その後、遅々として復興が進んでない。日本って国はそういうところ遅いよなあ、と思う。だから何とか少しでもお役に立てれば」と話し、いずれは現地への慰問も考えているという。