【AFP=時事】デンマーク自治領グリーンランドの政庁所在地ヌーク(Nuuk)で7月21日に拘束され、日本が身柄引き渡しを求めている反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の創設者、ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者(73)が23日、フランス国籍の取得を申請した。弁護団の代表を務めるジャン・タマレ(Jean Tamalet)氏が24日、明らかにした。
ワトソン容疑者は拘束されるまで、フランスに居住していた。
タマレ氏は、「ワトソン氏は1977年以来、海洋生態系の保護に全力を尽くしてきた。フランスは世界で2番目に長い海岸線を有しており、(同氏の申請は)極めて理にかなっている」と説明した。
ワトソン容疑者は今年7月、日本の要請を受けて国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)が2012年に発行した「赤手配書」に基づき逮捕された。海上保安庁が、2010年2月に南極海で発生した日本の調査捕鯨船乗組員に対する傷害、器物損壊等の事件の共犯として逮捕状を取得し、国際手配していた。
フランスのアニエス・パニエリュナシェ(Agnes Pannier-Runacher)エコロジー・エネルギー移行相は24日、デンマーク当局に対し、ワトソン容疑者の釈放を求める意向を表明。
「われわれの見解では、彼に対する容疑は拘束を正当化するものではない」と述べた。
ワトソン容疑者はこれに先立ち、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に書簡で政治亡命を求めた。だが仏当局は、亡命を申請するには申請者がフランス国内に滞在していなければならないとして困難との見方を示した。
フランスはこれまでデンマーク政府に対し、ワトソン容疑者を日本に引き渡さないよう求めてきた。【翻訳編集】 AFPBB News