2024年2月、東京・浅草でホテル経営などを行う資産家夫婦が、当時4歳の次女に毒物を飲ませて殺害したとして逮捕された事件は、日本中を震撼させました。その後の捜査で、驚くべき新事実が明らかになったのです。
6年前の父親殺害容疑で再逮捕
逮捕されたのは、細谷健一容疑者(43)と妻の志保容疑者(38)。2018年に起こった健一容疑者の父親・勇さん(当時73)の死亡についても、夫妻が関与していた疑いが浮上し、10月25日に再逮捕されました。
勇さんの死因は、エンジンの不凍液などに使用される「エチレングリコール」中毒。これは、夫妻が次女を殺害した際にも使用された毒物と同じものだったのです。
実は、細谷夫妻の周囲では、2018年頃から親族が相次いで不審な死を遂げていました。
- 1月:健一容疑者の母(当時68)が死亡
- 4月:健一容疑者の次姉(当時41)が死亡
- 6月:健一容疑者の父・勇さん(当時73)が死亡
特に、次姉の死には不審な点が多く、夫妻が関与している疑いがあるとみて、警察は捜査を続けています。
細谷一家が暮らすマンション
ベランダ放火事件を機に一家崩壊
度重なる不幸に見舞われた細谷一家を、さらに崩壊へと導く事件が起こります。2019年3月、志保容疑者が自宅マンションのベランダに放火し、警察沙汰になったのです。
放火の原因は、健一容疑者が用意した下着の組み合わせが気に入らなかったという、些細な夫婦喧嘩でした。しかし、この事件は、家族に決定的な亀裂を生むことになります。
夫妻の度重なる激しい喧嘩は、「心理的虐待」にあたるとして、3人の子供たちは児童相談所に保護されることになったのです。
志保容疑者が放火した跡。真っ黒な灰が広がる
エリート意識の裏に隠された歪んだ愛情
事件の背景には、幼少期から英才教育を受けて育ち、エリート意識の強かった志保容疑者の存在があります。志保容疑者は、独自の「子育て論」を展開し、子供たちを厳しく管理していたとされています。
しかし、その行き過ぎた教育方針は、周囲との摩擦を生み、孤立を深めていく原因にもなっていたようです。
志保容疑者は、児童相談所に対しても強い不信感を抱いており、9000字に及ぶ「子育て論」や「児相への呪詛」を綴った手紙を送っていたことも明らかになっています。
事件の真相解明はこれから
資産家夫婦による一家心中とも思われたこの事件。しかし、その裏には、複雑な家庭環境や歪んだ愛情、そして児童相談所との軋轢など、様々な要因が複雑に絡み合っていることが徐々に明らかになってきました。
警察は、細谷夫妻がなぜこのような凶行に及んだのか、その真相解明を急いでいます。