相鉄線車内液体付着事件:乗客3名負傷、原因究明に向けた調査が進行中

2025年9月2日午前、神奈川県を走行する相鉄線の電車内で、座席に付着していた液体により乗客3名が負傷する事件が発生しました。相模鉄道(横浜市)の発表によると、同社広報は9月4日時点でも「現在も調査中」であるとしており、原因の特定が急がれています。公共交通機関における安全性が改めて問われる中、事件の詳細と今後の動向に注目が集まっています。

事件の概要と初期報告

今回の事件は、海老名駅を7時16分に出発し、横浜駅に45分に到着する上り電車で発生しました。最初の報告は8時25分頃、この電車に乗車していた女性客1名から相模鉄道に入りました。女性は、座席が濡れており、その後衣類に付着した液体から薬品のような臭いがすると訴えました。この女性が乗車していたのは、平日朝の上り電車で女性専用車として運用されている10号車でした。報告があった時点で、電車は既に横浜駅で折り返し、8時33分に海老名駅に到着する直前でした。その後、電車は8時40分に海老名駅を再び出発し、9時8分に横浜駅に到着しました。

負傷者の発生と時系列

海老名駅8時40分発の電車に乗車していた別の乗客2名からも、同様の報告がありました。彼らも座席が濡れており、「やけどのような症状がある」と訴えました。この2人も、前述の女性客と同じ10号車に乗車していたことが確認されています。

相鉄線の電車がホームに停車している様子。この路線で液体付着による乗客負傷事件が発生した。相鉄線の電車がホームに停車している様子。この路線で液体付着による乗客負傷事件が発生した。

1名の乗客は9時8分頃に横浜駅で報告後、病院に緊急搬送されました。もう1名は自身で病院に向かった後、11時57分頃に二俣川駅で相模鉄道に状況を報告しました。この一連の報告を受け、相模鉄道は9時52分に警察へ通報。問題の10号車を閉鎖し、乗客を他の車両へ移動させた後、隣のかしわ台駅で乗客を別の電車に乗り換えさせ、当該電車は9時45分に運転を打ち切りました。事件に関わる車両は調査のため車両センターに留置されています。

相模鉄道の調査状況と負傷者の詳細

9月4日時点での相模鉄道広報への取材によると、事件の原因となる液体の特定には至っておらず、「現在も調査中」であると説明しています。負傷者の数は変わらず、3名の女性客が被害に遭いました。最初の報告をした女性客は、「ヒリヒリする症状がある」と述べており、警察からの聞き取り後に病院を受診する予定です。緊急搬送された1名は入院しており、自身で病院に行ったもう1名は「やけど」と診断されたと広報は説明しました。今後の発表については、「必要に応じてホームページなどでお知らせします」としています。

社会的反響と懸念

今回の相鉄線での液体付着事件を受け、SNS上では多くの不安の声が広がっています。近年、電車内での不審な液体による乗客負傷事例が複数報じられており、事件が明らかになるにつれて「テロ」「アシッドアタック」といった物騒な憶測も散見される状況です。公共交通機関の安全に対する関心が高まる中、相模鉄道および警察による迅速かつ徹底した調査、そしてその結果に基づいた適切な情報公開が強く求められています。

結論

相鉄線内で発生した液体付着による乗客負傷事件は、3名の女性が被害を受け、現在もその原因は不明のまま、詳細な調査が進行中です。公共の場所における安全への懸念が高まる中、相模鉄道は関係機関と連携し、事件の全容解明と再発防止策の徹底に努めることが期待されます。乗客の安全を最優先とする姿勢が、今後の情報公開と対策に反映されることが強く望まれます。

参考文献

  • J-CASTニュース. (2025年9月4日). 相鉄線座席の液体で乗客3人負傷「薬品のにおい」「やけど」 「テロ」「アシッドアタック」とSNS憶測広がる. Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/articles/06974b6d268c517ae6aa53ce138365b6edcda1f6
  • 相模鉄道株式会社. (2025年9月2日). 座席に液体付着による乗客負傷事象について. (公式サイトの発表に基づくと推測される)