なぜ自民党は選挙で負けにくいのか?橋下徹氏が「したたかさ」を分析

なぜ自民党は政権を維持し続けるのか?

10月27日の総選挙。結果は自民党の勝利に終わりました。政治とカネの問題などで国民の不信感は高まっているにも関わらず、なぜ自民党は政権を維持し続けるのでしょうか?

元大阪府知事・大阪市長の橋下徹氏は、その理由を「自民党のしたたかさ」にあると分析しています。橋下氏の著書『政権変容論』から、自民党が選挙で負けにくい理由を探っていきましょう。

若者の保守化?自民党は「保守」なのか?

近年、若者の保守化が指摘されていますが、本当にそうでしょうか?自民党に投票する若者は増えているものの、彼らが「自民党=保守政党」と認識して投票しているとは限りません。

2017年の読売新聞と早稲田大学現代政治経済研究所の調査によると、40代以下の世代は自民党や日本維新の会を「リベラルな政党」、共産党や公明党を「保守的な政党」と捉える傾向が見られました。

実際、自民党は近年、憲法改正や観光立国など、革新的な政策を打ち出しています。改革を進める姿勢がリベラルに映り、逆に改革に反対する政党が現状維持を望む保守政党と見なされているのかもしれません。

実行力こそが強み?自民党のしたたかさ

安倍晋三元首相安倍晋三元首相

安倍政権下では、「教育無償化」や「働き方改革」といった、本来はリベラル政党が掲げる政策が次々と実行されました。これは保守政党の政策と言えるのでしょうか?

橋下氏は、自民党は過去の政権交代の経験から、自分たちに足りないものを貪欲に吸収してきたと指摘します。民主党政権時代に人気を集めたリベラルな政策を、あたかも自らのアイデアのように取り込み、実現してきたのです。

国民にとって重要なのは、誰が最初に政策を考案したかではなく、実際に政策を実行し、結果を出せるかどうかです。橋下氏は、自民党は他党のアイデアであっても良いものは取り入れ、実行する力に長けていると分析しています。

まとめ:自民党の強みから学ぶべきこと

自民党が長年政権を維持してきた背景には、時代の変化に対応する柔軟性と、結果を出すための「したたかさ」があります。野党は、自民党のこうした強みを分析し、自らの政策や戦略に活かしていく必要があるのではないでしょうか。

橋下氏の分析は、日本の政治の現状と、今後の政権交代の可能性について、多くの示唆を与えてくれます。