イスラエル軍、イラン軍事施設を再び攻撃 報復の連鎖に懸念

イスラエル軍は26日、イランの軍事施設への攻撃を実施したと発表しました。これは、今月1日にイランからミサイル攻撃を受けたことへの報復措置とされています。首都テヘランを含む複数の地域が標的となり、イラン側の発表によると兵士2名が死亡しました。イランが報復に出れば、中東地域の緊張がさらに高まることが懸念されています。

イスラエルによる2度目の攻撃、標的は軍事関連施設

イスラエルによるイラン本土への攻撃は、今年4月に続き2度目となります。アメリカのABCニュースによると、今回の攻撃はエネルギー関連施設や核施設は含まれていないとのことです。

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爆発音の後のテヘラン市街地(ロイター)](https://news.yahoo.co.jp/articles/18a50254583248b7c9b37ed1ce6d70373298f052/images/000)

イスラエル軍報道官は日本時間26日未明、攻撃開始を告げる声明を発表。「イランの軍事的な標的に精密な攻撃を加えている」と述べ、約3時間半後に作戦終了を宣言しました。イランの複数地域を空爆し、ミサイル製造施設や地対空ミサイル装置などを標的にしたとしています。

一方、イラン軍はテヘラン州や西部フゼスタン、イラム2州の軍事施設が攻撃を受け「限定的な被害があった」と発表。兵士2名の死亡は、イスラエルが発射した飛翔体によるものだと説明しました。イラン外務省は同日、イスラエルを厳しく非難し「外国の侵略行為に対し自衛の権利と義務がある」とする声明を発表しています。

イスラエル軍による攻撃は3波、シリアとイラクの防空施設も標的に?

アメリカのニュースサイト・アクシオスは、イスラエル当局者の話として、攻撃は3波にわたって行われたと報道。まず防空システムを攻撃し、その後、ミサイル基地や武器製造拠点を標的にしたと伝えています。また、ニューヨーク・タイムズは、攻撃対象は約20か所に上ったと報じています。

さらに同紙は、イスラエル当局者の話として、イスラエル軍機が攻撃を成功させるため、シリアとイラクの防空施設も攻撃したと報じています。

イスラエル軍報道官「国家を脅かす者は大きな代償を」と警告

イスラエル軍報道官は、パレスチナ自治区ガザでのイスラム主義組織ハマスとの戦闘開始以降、イランとその代理勢力がイスラエルを継続的に攻撃してきたと指摘。「イスラエル国家を脅かす者は大きな代償を払うことになる」と警告しました。

今後のイランの出方次第では、中東情勢がさらに不安定化する可能性も孕んでおり、国際社会の動向が注目されます。