米ビーガン特別代表が北京入り 北との協議引き続き探る





米国のビーガン北朝鮮担当特別代表=18日午後、首相官邸(春名中撮影)

 【北京=三塚聖平】米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は19日、韓国と日本に続いて北京を訪問。北朝鮮の後ろ盾として存在感を強めている中国と連携することにより、韓国で実現しなかった北朝鮮当局者との接触を模索するとみられる。北朝鮮は米国に交渉姿勢の抜本的転換を求めて威嚇のトーンを強めており、舞台を中国に移しても米側が望む直接協議が実現できるかは不透明だ。

 ビーガン氏は2日間の予定で北京に滞在し、中国当局者と会談を行う見通し。そもそも同氏の訪中は、当初発表されていた予定には含まれていなかった。15日から3日間の日程で韓国を訪問し、その間に南北の軍事境界線がある板門店で北朝鮮当局者との接触を目指していた。北朝鮮はクリスマス前後の挑発を示唆しており、米国としては「クリスマス危機」を回避するためにも直接協議を通じて事態の打開を図ろうとしたものとみられる。

 ただ訪韓中に北朝鮮からの反応はなかったもようだ。ビーガン氏は、16日の韓国外務省の李度勲(イドフン)朝鮮半島平和交渉本部長との会談後に共同会見を開き、北朝鮮の米朝協議担当者に向けて「まだ遅くはない」として非核化などをめぐる実務協議の開催を呼びかけたがなしのつぶて。18日には日本で北村滋国家安全保障局長や秋葉剛男外務事務次官らとそれぞれ協議。そこから北京へと移動した。

 中国は、ロシアとともに対北制裁緩和にこだわる姿勢をみせている。北朝鮮問題を通じて対立関係が続く米国を揺さぶる狙いも指摘される。北朝鮮から近い中国東北部で崔善姫(チェソンヒ)第1外務次官とビーガン氏が協議を行う可能性も一部で取り沙汰されるが、米側が制裁緩和といった北朝鮮の要求に応じなければ現時点での実現性は低いとみられる。



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