【北京=三塚聖平】中国外務省は26日夜に発表した報道官談話で、米政府が台湾に約20億ドル(約3千億円)に上る武器の売却を決めたことに対し、「強い非難と断固とした反対」を表明した。米側に「厳正な申し入れをした」と表明し、抗議したことを明らかにした。「中国は断固として抵抗し、全ての必要な措置をとる」として対抗措置の発動を示唆した。
談話は、武器売却について「中国の主権と安全保障上の利益を深刻に侵犯し、中米関係を甚だしく破壊する」と反発。「台湾海峡の平和と安定を損ない、『台湾独立』分裂勢力に対して深刻に誤ったシグナルを発する」と主張した。
米側に対し、台湾への武器売却の停止や、「台湾海峡の平和と安定を破壊する危険な行為を直ちにやめる」ことを求めた。「国家の主権や安全、領土保全を固く守り抜く」とも強調した。
米政府は25日、台湾に対する高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」と航空監視レーダーシステムの売却を承認して議会に通知した。NASAMSは11億6千万ドル(約1750億円)、レーダーは8億2800万ドル(約1250億円)相当に上る見通し。
中国人民解放軍は今月14日に台湾を取り囲む形の海空域で軍事演習を行っており、台湾海峡で軍事的な緊張が高まっている。