トランプ氏復活を望むネタニヤフ首相:米大統領選はイスラエルに何をもたらすか?

間近に迫った米大統領選挙。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ドナルド・トランプ前大統領のホワイトハウス復帰を切望しているようだ。

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トランプ前政権は、ネタニヤフ首相にとってまさに追い風だった。しかし、来月5日の投票日を前に、トランプ氏は自身の掲げる中東政策において矛盾したメッセージを発信している。 ネタニヤフ首相に対しイランの核施設への攻撃を促す一方で、「自分が大統領であれば10月7日の攻撃は起こらなかった」と主張し、イスラエルに戦争終結への圧力をかける意向を示しているのだ。

トランプ氏の矛盾が招くもの:イスラエルの思惑

専門家によると、このような一貫性を欠くトランプ氏の姿勢は、”アメリカを再び偉大に”というスローガンと同様に、ネタニヤフ首相にとってむしろ都合が良いという。孤立主義的なトランプ氏が大統領に返り咲けば、ガザ地区やレバノンで激化する紛争への対応において、ネタニヤフ首相はより自由に動ける可能性があるのだ。

エルサレム・ヘブライ大学のギドン・ラハト教授(政治学)は、「米国の選挙はネタニヤフ首相にとって重要な転換期だ。彼はトランプ氏の勝利を強く願っている。もしトランプ氏が勝利すれば、ネタニヤフ首相は自分の行動の自由度が増し、望むものを手に入れられると考えている」と分析する。

バイデン政権との違い:イスラエルへの影響は?

一方、現職のジョー・バイデン大統領はイスラエルへの「揺るぎない支持」を表明しているものの、ネタニヤフ首相との関係は冷え込んでいる。トランプ氏とは対照的に、バイデン大統領はネタニヤフ首相に対し、イランの石油生産施設や核施設への攻撃を行わないよう警告してきた。

イスラエル国民の声:トランプ氏への期待

トランプ氏への人気は、ネタニヤフ首相だけでなく、イスラエル国民の間でも高い。イスラエル地域外交政策研究(Mitvim)が9月に実施した世論調査によると、イスラエル国民の68%が、自国の利益に最も貢献する米大統領候補としてトランプ氏を挙げている。

米大統領選挙の結果は、中東情勢、そしてイスラエルの未来を大きく左右する可能性を秘めていると言えるだろう。