【カイロ=佐藤貴生】イスラエルの軍事攻撃を受けたイランの最高指導者ハメネイ師は27日、イスラエルにイランの実力と決意を「理解させなくてはならない」と述べた。イランのメディアが報じた。イラン軍は26日の声明で、首都テヘラン近郊などの軍事施設の損害は小規模だとし、「適切な時期に報復する権利がある」とし、すぐには反撃しないと示唆した。
声明によると、イスラエルの戦闘機はイラク国内の米軍支配地域に入り、イラン国境まで約100キロの上空からミサイルを発射した。攻撃では合計4人の兵士が死亡したもよう。
イランでは大きな被害が出たとの報道もある。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などによると、テヘラン近郊では国際空港などのロシア製S300防空システム3基が使用不能になり、無人機やミサイルを製造するパルチンやホジルの基地も爆撃された。南西部フゼスタン州では石油精製施設、西部イラム州ではガス田の防空システムが攻撃された。長距離弾道ミサイル用の固形燃料を作るミキサーが破壊されたとの報道もある。
イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は、カタールの首都ドーハで27日に再開予定のイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの停戦協議では、イスラエル、米国の代表者がカタールのムハンマド首相と会談し、複数の提案が協議される見通しだと伝えた。