女子プロゴルフも地上波から消える? スポーツ中継の有料配信化が加速

近年、動画配信サービスの普及に伴い、これまで地上波テレビで放送されてきたスポーツ中継が姿を消しつつあります。その波は、ボクシングやサッカーなどの人気競技にも押し寄せています。果たして、スポーツ中継は完全に有料配信サービスの独壇場になってしまうのでしょうか?

ボクシング世界戦は有料配信サービスへ完全移行

かつては地上波で放送されていたボクシング世界戦ですが、今ではアマゾンプライムビデオなどの動画配信サービスが独占配信するケースがほとんどです。これは、有料配信サービスのビジネスモデルが、高額な放映権料を支払うだけの収益を生み出すようになったためです。

例えば、2022年6月に行われた那須川天心選手と武尊選手の試合では、会場の入場料収入が約20億円、ABEMAの有料配信による収入が約27.5億円に達しました。この試合のファイトマネーは両者合わせて約5億円とされていますが、無料放送である地上波テレビでは、このような高額なファイトマネーを捻出することは難しいのが現状です。

サッカーも地上波放送が減少傾向

Jリーグも、2017年からDAZNが放映権を獲得し、全試合を配信しています。地上波テレビでの全国放送はNHKのみで、その他の局はローカル放送にとどまっています。

これまで高視聴率を誇っていたサッカー日本代表戦も、近年は地上波での放送が減少傾向にあります。前回のカタールW杯アジア最終予選では、ホームゲームのみが地上波で放送され、アウェーゲームはDAZNの独占配信となりました。

日本サッカー協会(JFA)関係者の中には、「日本代表戦だけは見る」というライト層が有料配信サービスに移行することで、サッカー人気が低迷するのではないかと危惧する声も上がっています。

女子プロゴルフも配信サービスへ

女子プロゴルフも地上波から消える? スポーツ中継の有料配信化が加速

女子プロゴルフも、地上波での放送が減りつつあります。人気の高いスポーツ中継でさえ、有料配信サービスへの移行が進んでいる現状は、スポーツ業界全体の構造変化を象徴していると言えるでしょう。

まとめ

動画配信サービスの普及により、スポーツ中継の視聴方法は大きく変化しています。高画質・高音質のライブ配信や見逃し配信など、有料配信サービスには多くのメリットがありますが、一方で、これまでのように誰でも気軽にスポーツ観戦を楽しむ機会が失われつつあるという側面も否定できません。

今後、スポーツ中継と有料配信サービスの関係性がどのように変化していくのか、注目が集まります。