【PSG李康仁も標的に】欧州サッカー界で後を絶たないアジア人選手への人種差別問題

近年、世界で最も人気のあるスポーツの一つであるサッカー界において、深刻な問題として人種差別が大きな影を落としています。特に、欧州リーグで活躍するアジア人選手に対する差別的な言動が後を絶ちません。

先日、フランス1部リーグ、パリ・サンジェルマン(PSG)に所属する韓国代表MFの李康仁選手が、練習場でファンから心ない人種差別を受けたとされる動画が拡散し、波紋を呼んでいます。

練習場でファンから浴びせられた差別発言

フランスのサッカー情報サイト「メイドイン・パリジャン」などによると、25日に行われたPSGの練習場で、選手たちがファンとの交流イベントを行っていました。その際、ファンとハイタッチをしていた李康仁選手に対し、あるファンが「頑張れ、中国人!」(Allez mon Chinois!)と発言したとされています。

この動画は瞬く間にSNSで拡散され、多くのファンから「李康仁は韓国人だ」「練習場で人種差別をするなんて信じられない」「選手へのリスペクトが足りない」など、差別的な発言をしたファンに対する批判が殺到しました。

欧州サッカー界で相次ぐアジア人選手への差別問題

悲しいことに、欧州サッカー界におけるアジア人選手への人種差別問題は、これが初めてではありません。

イングランド・プレミアリーグのトッテナムで活躍する韓国代表FWのソン・フンミン選手も、過去に幾度となく人種差別の被害に遭っています。

また、プレミアリーグのウルヴァーハンプトンに所属する韓国代表FWのファン・ヒチャン選手も、7月に行われたセリエAのコモとの練習試合中に、相手選手から人種差別的な発言を受けたことを告白しました。

人種差別はスポーツ界全体の課題

ファン・ヒチャン選手は自身のSNSで「人種差別はスポーツだけでなく、日常生活においても決して許されるものではありません。人種差別が入り込む余地はないはずです」と訴え、人種差別撤廃を訴えました。

これらの事件は、サッカー界における人種差別問題が、一部の心無い人間の行動にとどまらず、依然として根深く存在していることを浮き彫りにしています。

サッカーは国籍や人種を超えて多くの人々を魅了するスポーツです。真に誰もが楽しめるスポーツとして、人種差別を根絶するために、FIFAやUEFAなどの国際機関、各国のサッカー協会、そして選手やファン一人ひとりが真剣に向き合い、具体的な対策を講じていくことが求められています。