“大学格差”が露骨に表れる一般選抜入学者数の多寡、開き直って「年内入試で定員100%確保」を掲げる大学も


【この記事の画像を見る】

● 桐蔭横浜の入学者9割超が年内入試 一般選抜入学0人や数人の大学続出

 一般選抜で合格して2024年4月に入学した人数、わずか33人。神奈川県にある桐蔭横浜大学の24年度入学者は570人で、このうち9割超は指定校推薦や総合型選抜(旧AO入試)などの「年内入試」で集まった。年明けの一般選抜を経て入学する学生は、レアな存在になっている(下表参照)。

 桐蔭横浜大は、幼稚園から大学院までを擁する学校法人桐蔭学園が経営する大学。一貫教育を行う中学・高校は、故・鵜川昇元理事長のカリスマ的な経営手腕などにより、2000年代初頭に開成、麻布、武蔵ら男子御三家に次ぐ東京大学合格者数を叩き出す位置まで上り詰めた進学校だ。一方、大学は受験難度で下位に位置する。

 桐蔭横浜大に限らず、下位大学ほど年内入試へのシフトが進んでおり、一般選抜による入学者がゼロや数人という大学も続出している。

 これから先ますます、受験勉強の成果を試される一般選抜で真剣勝負するのは学力上位の受験生たちに絞られ、一般選抜で受験生を選抜できる大学もまた、一握りに絞り込まれていく。それ以外の受験生および大学の主戦場になっていくのは年内入試。24年度入学者において私立大学の6割が定員割れしており、特に定員が埋まりにくい下位大学の年内入試は、学力問わずの全入状態になる。

 次ページでは、大学群別に一般選抜比率(一般選抜による入学者が入学者全体に占める割合)をマッピングしてみた。すると、大学の格差が露骨に表れた。



Source link